先人への思い胸に、伝統の演舞 平敷屋青年会、東西の曲踊り分ける 全島エイサー

 県内最古といわれ、東西分かれて異なる音楽と踊りがあるうるま市の平敷屋エイサー。平敷屋には二つの青年会があったが、メンバーの減少を理由に2022年度に東西を統合した。統合に反対の声もある中、平敷屋青年会は伝統継承や先人への思いを胸に全島エイサーで堂々と演舞した。

 平敷屋エイサーは東が力強い男踊り、西はしなやかで女性的な動きが特徴といわれている。

 西に所属していた野上恒喜さん(25)は「太鼓の打ち方、足の上げ方など細かい部分が異なる」と話す。「正しく踊りたい、完璧に踊りたい」と練習に励み、1日の睡眠時間がわずか1時間になる日もあった。「僕たちが一番古いエイサーだといわれている。先祖のためにもなくしたくない」と思いを込めた。

 統合への葛藤や混乱をへて、青年会をまとめ上げる前代賢太会長(25)は「新しい平敷屋青年会を見てほしい」との思いで臨んだ。この日、平敷屋青年会は東西の曲を見事に踊り分け、独特の厳かな雰囲気が会場を包んだ。観客からは大きな拍手が送られた。

 (金盛文香)

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