田んぼアートが見頃に 「温泉」をアピール、和歌山・田辺市龍神村で10周年

絵柄が浮かび上がった「田んぼアート」(和歌山県田辺市龍神村安井で)

 和歌山県田辺市龍神村安井で、穂の色が違う稲を育てて絵を描く恒例行事「田んぼアート」が間もなく見頃を迎える。高台の龍神市民センター駐車場からは、穂が色づいて浮かび上がった絵柄を見ることができる。

 「田んぼアート実行委員会」(冨田進委員長)が、休耕田を活用して2014年から毎年続けている取り組み。今回で10回目。6月の田植えには、地元の龍神中学校と南部高校龍神分校の生徒らも参加した。今年は、地元の龍神温泉をアピールする温泉マーク、今年の干支(えと)「卯(う)」にちなんだウサギと「10周年」の文字を描いている。

 稲は、穂が赤いベニキッチョウ、緑のミドリマンヨウ、黄のキヌムスメなどを使用。8月の半ばから絵柄が徐々に浮かび上がり、下旬にはくっきりと見えるようになっていた。絵柄は今月中旬が一番きれいに見える見込みという。

 田んぼアートの見頃に合わせて実行委は4日、絵柄を高台から見下ろせる観賞ポイントの目印を龍神市民センター駐車場に設置した。活動資金に充てるため、筒状の募金箱も置いているほか、龍神中学校や龍神分校の生徒が田植えに取り組む写真も掲示。龍神市民センターへの上り口には、案内看板も取り付けた。

 冨田委員長(75)は「今年も無事に絵ができあがり、ほっとしている。皆さんに喜んでもらえたらありがたい。龍神村に来た際や、龍神温泉からの帰りに、ぜひ立ち寄っていただけたら」と話している。

 10月には、中高生が稲刈りをする予定。

観賞ポイントに設置した募金箱や写真

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