ラトバラ、全日本ラリー初参戦初優勝。勝田範彦が続くも、王座はコバライネンの手に渡る/第7戦北海道

 9月8日(金)から10日(日)にかけて、北海道帯広市を中心にJRC全日本ラリー選手権第7戦『RALLY HOKKAIDO(ラリー北海道)』が開催され、初日レグ1からラリーをリードしたヤリ-マティ・ラトバラ/ユホ・ハンニネン組(トヨタGRヤリスJP4ラリー2)が初参戦初優勝を達成した。

 元WRC世界ラリー選手権ドライバーで現在はTOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR-WRT)のチーム代表を務めるラトバラの参戦や、モリゾウこと豊田章男TGR-WRT会長と元WRC4冠王者ユハ・カンクネンによるデモランの実施、新井敏弘がドライブするスバルWRX S4のデビューなどで注目を集めた今大会。

 シーズン終盤の一戦ということでタイトル争いの行方も気にかかるなか、先のラリー・フィンランドではラリー1をドライブしたラトバラが、日本ではラリー2プロトタイプに乗り換えて快走を見せた。土曜日のオープニングから北国のグラベル(未舗装路)ステージで主導権を握ったフィンランド人ドライバーは、同郷のヘイキ・コバライネン(シュコダ・ファビアR5)に5.6秒差をつけてSS1“リクベツ・ロング1”を制すと、続いて行われた全長23.49kmのSS2“ヤムワッカ1”でもステージウインを飾る。ここではステージ2番手につけた勝田範彦(トヨタGRヤリスJP4ラリー2)に25.2秒もの大差をつけた。

 その後もラトバラの勢いは止まらず、レグ1の計8SSすべてでトップタイムを刻む無双ぶりを披露。初日だけで2番手の勝田に1分52秒7、3番手コバライネンには2分28秒7のギャップを築いてみせる。

ヤリ-マティ・ラトバラ/ユホ・ハンニネン組(トヨタGRヤリスJP4ラリー2) 2023年JRC第7戦ラリー北海道

 ウエットコンディションでの幕開けとなった翌日のオープニングを制したのもやはり、ラトバラだった。続くSS10のスーパーSS“イケダ1”こそ、出走順が後ろになるに従って路面状態が回復したことにより川畑真人(トヨタ・ランドクルーザー・プラド)にベストタイムを奪われたものの、終盤のSS11とSS12ではふたたび元WRCトップドライバーが連続ベストをマークした。

 結局2023年のラリー北海道は全12SS中、11のステージで最速タイムを刻んだラトバラの圧勝に終わり、前年のウイナーでチームメイトの勝田が2分16秒差の総合2位、コバライネンが3位という結果となった。総合4位はプライベーターのSUBARU TEAM ARAIとして新型WRX S4で参戦した新井。総合5位にはJN2クラスを制した奴田原文雄(トヨタGRヤリス)が入った。

 なお今大会の結果、10月13~15日に岐阜県高山市で開催される今季最終戦『M.C.S.Cラリーハイランドマスターズ2023』の実施を待たずにコバライネン/北川紗衣組の全日本ラリーJN1連覇が確定した。また、奴田原は今大会のスタート時点でJN2クラスタイトルの獲得を決めている。

 優勝したラトバラは「日本で素晴らしい週末を過ごすことができた。トヨタGRヤリス・ラリー2はとても良いパフォーマンスで運転しやすかった」と喜びのコメントをSNSに綴った。

「この結果とクルマのフィーリングにとても満足している。ユホ、そしてオーガナイザーの皆さん、完璧な週末をありがとう!」と感謝の言葉も続けられている。

勝田範彦/木村裕介組(トヨタGRヤリスJP4ラリー2) 2023年JRC第7戦ラリー北海道

■2023年JRC全日本ラリー選手権第7戦ラリー北海道 結果

Class Driver&Co-Driver Car Time

JN1クラス1位 ヤリ-マティ・ラトバラ/ユホ・ハンニネン トヨタGRヤリスJP4ラリー2 1h15’51.0

JN1クラス2位 勝田範彦/木村裕介 トヨタGRヤリスJP4ラリー2 +2’16.4

JN1クラス3位 ヘイキ・コバライネン/北川紗衣 AICELLOラックDL速心FABIA +3’06.8

JN2クラス優勝 奴田原文雄/東駿吾 ADVAN カヤバ KTMS GRヤリス 1h22’18.7

JN3クラス優勝 山本悠太/立久井和子 SammyK-oneルブロスYHGR86 1h30’49.0

JN4クラス優勝 内藤学武/大高徹也 YHアーリット スイフト 1h28’57.0

JN5クラス優勝 松倉拓郎/山田真記子 DL☆Gセキネン鹿ソニックラブカデミオ 1h30’44.4

JN6クラス優勝 天野智之/井上裕紀子 豊田自動織機・DLアクアGR SPORT 1h35’24.7

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