Voliro、全方位に高度な飛行が可能なドローン「Voliro T」で高所での非破壊検査を実現

プラットフォーム機能

構造物に最大30Nの力と数Nmのトルクを加え、物体に物理的に接触できるため物理的作業を行える。ドローンは±90°傾けることができ高い機動力を誇る。どんな向きでもインタラクションが可能になり、まさに全方向性に対応する。

スラストベクタリングと6DoF制御により、厳しい条件下での信頼性の高いインタラクションに必要な安定性が得られる。半自律飛行モードと高度な操縦支援により、高い自律性を実現。GPSが使えない環境でも、Voliro Tは構造物の近くを安全かつ容易に飛行する。

人間や機械と対話できるように設計されており、自動化されたエンドツーエンドのワークフローに対応オープンインターフェースにより、シームレスな統合が可能だという。ユーザーの課題を解決するために、内蔵センサーに加え、2x4kカメラ、深度カメラといった最大1kgまでの様々な既存およびカスタムのペイロードを提供する。

非破壊検査とその先のペイロード

風力タービンLPS試験機

Voliro LPS(Lightning Protection System)テスターは、風力タービンの雷保護システム全体の導電率試験を超高効率で実現。Voliro Tプラットフォームの4点接触測定機能により、非接触方式と比較して結果の信頼性が向上するとしている。風力タービンを回転させることなく、地上250mの高さまでのレセプターを検査できる。

  • ニードルプローブ(Voliro製)
    針状プローブは、雷受容体が酸化していても電気的接続を確立。角度に適合したプローブには、30Nの一定の力が加わる
  • ケーブル管理システム(Voliro製)
    ドローンに接続するケーブルの正確な張力制御により、簡単な操作が可能。長さ300mのケーブルは2相で4点測定に使用される
  • オームメーター(Mostec製)
    ポータブルマイクロオームメーターは抵抗測定に使用。取り扱いが簡単で、電池式、頑丈な設計、軽量であることが特長

NDTペイロードバンドル

Voliro NDTバンドルは、肉厚測定とコーティング厚測定の両方に対応する包括的なソリューションを提供する。正確な測定が可能で、腐食や侵食した表面を片側から検出可能。バンドルにはEMAT(電磁超音波トランスデューサ)、UT(超音波トランスデューサ)、DFT(乾燥膜厚)センサが含まれている。

  • EMAT(電磁超音波トランスデューサ)(Voliro製)
    最大リフトオフ4mmで腐食や汚れた表面に最適。ASTM E1816-18に準拠。測定範囲2-150mm、精度0.04mm
  • UT(超音波トランスデューサ)(Voliro製)
    EN 12668-1およびISO 16831:2012に準拠。ライブA-Scanによるエコー間およびパルスエコーテストモード。厚さ範囲4-150mm、分解能0.02us(5900m/sで0.06mm)
  • DFT(乾燥膜厚)(Voliro製)
    DFT(乾燥膜厚)は、保護膜の検査において最も重要な測定項目。磁気誘導式と渦電流式の測定モードがあり、測定範囲は0~1500μm、700μm

サードパーティーペイロード

すべてのペイロードはVoliroによって検証され、テストされている。これらのペイロードは、ユニバーサル・ペイロード・インターフェースを活用し、アプリ・インターフェースからレポーティングに至るまで、ソフトウェアおよびハードウェアと完全に統合されている。検査データは検査員のタブレットにライブストリーミングされ、Voliro Tに保存される。

  • PEC(パルス渦電流)
    厚さ40mmまでの層を通して壁の厚さを測定。このセンサーは、鋼材のスポットパーセンテージバリエーションを測定する
  • インパクト・エコー・システム
    コンクリート構造物の非破壊検査・評価(NDT/NDE)のためのインパクト・エコー検査、可視化、機械学習

開発者プログラム

アプリケーションの開発が簡単になった。ユニバーサルなペイロードインターフェースとオープンアーキテクチャのプラットフォームは、画期的なアイデアを実現するために必要なすべてを提供するとしている。

高所でのNDTソリューション

重要なインフラに関する高度な洞察を可能にする。ロープを使わず、足場を組まずに、ただ飛ぶだけで検査ポイントにアクセスできる。高所作業や狭い場所での作業に伴うリスクを伴うことなく、迅速かつ効率的に、あらゆる方向の表面に対して正確で信頼性の高いインタラクションを可能にする。

認定を受けたクラス最高のNDTセンサーによる反復可能で信頼性の高い測定は、重要なインフラストラクチャの完全性に関する洞察を提供する。検査データと映像はオペレーターにライブストリーミングされ、ドローンに保存される。

3D位置情報と時間同期された写真やビデオを含む地理的位置の検査データは、クラウドに安全に保存される。完全にデジタル化された検査レポートは数分で作成される。オープンAPIにより、サードパーティのメンテナンス・ソリューションとの統合が可能になる。

Voliroの利点

高所で危険にさらされる人は0人、従来の方法に比べて最大50倍速く、資産の稼働時間100%というように、安全・高速・効率的なドローンだ。

風力タービンのLPS検査の場合、Voliro Tは、タービンのLPSシステム全体を1回の停止で40分以内に検査できる。タービンブレードを回転させる風を待つ必要はなく、同社のドローンはロープアクセスなしで迅速かつ効率的に高品質の測定を行う。

重工業における非破壊検査においては、Voliro TとNDTバンドルにより、貯蔵タンクや圧力容器を内側から、あるいはダウンタイムなしで外側から検査が可能。タンクの壁、天井、床の測定ができるということだ。Voliro Tは、煙突、煙突、パイプ、その他石油・ガス、石油化学、鉱業、紙パルプ、電力などの産業で一般的に見られる多くの構造物の検査に使用できる。

送電線の非破壊検査の場合、送電線をオンライン状態のまま送電線の鉄塔を検査できるため、停電が発生しない。典型的な検査には、保護皮膜の測定と腐食の広がりの推定が含まれる。

仕様

▶︎Voliro

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