孤高の画家、田中一村をしのぶ 鹿児島・奄美大島

「一村忌」で祭壇にソテツの葉を供える参加者=10日、鹿児島県奄美市

 鹿児島県・奄美大島で晩年を過ごし、亜熱帯の自然を繊細に描いた日本画家田中一村(1908~77年)の11日の命日を前に、一村が最後に過ごした家で「一村忌」が開かれた。功績を顕彰する団体「一村会」の会員ら約20人が参加し、祭壇にソテツの葉を供えて孤高の画家をしのんだ。

 10日に開かれた一村忌は35回目で、美佐恒七会長(75)は「一村の生き方を少しずつ分かってもらう機会にしてほしい」と呼びかけた。田中一村記念美術館(奄美市)が地元の子どもたちに功績を知ってもらおうと2020年に発足させた「一村キッズクラブ」のメンバーも参加した。

 一村は栃木県生まれ。50歳で奄美に移住した。

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