命守る訴え、被災3県の各地で 震災遺構に涙する人も

震災遺構・門脇小の写真を撮る来訪者=11日午後、宮城県石巻市

 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故は11日、発生から12年半となった。岩手、宮城、福島3県の被災地では、命を守る防災の大切さを語り部が来訪者に訴えた。津波被害の惨状を伝える震災遺構を見て涙を流す人の姿もあった。

 津波に襲われ181人の犠牲者が出た岩手県宮古市の田老地区。集落を取り囲む防潮堤の上で、防災ガイドの元田久美子さん(66)が学生らに語りかけた。「防潮堤があることの過信が犠牲に結びついた。一人一人の逃げる意識が大事です」

 元田さんらの活動「学ぶ防災」ツアーには、これまで全国から約22万人が参加した。静岡県出身の大学生は「津波の恐ろしさが伝わった」と感想を語った。

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