12日にベルギーで開催される「キリンチャレンジカップ2023」で日本代表と対戦するトルコ代表。
両国は過去に2度対戦し、その成績は1勝1敗。最新にして2度目の対戦は今から21年前の日韓W杯で、日本が敗れている。
そのトルコが着るユニフォームは、ほぼ国旗色の赤と白ばかり。そして胸にはチームエンブレムではなくトルコ国旗の「三日月と星」を付ける。
今回の日本戦でも使うの最新ユニフォームは2022年に登場したこの2着で、白はホームで赤がアウェイとなる。
ここでは、そんなトルコのユニフォームにまつわるこぼれ話をご紹介しよう。
突然ホームとアウェイの色を入れ替える
コロナウィルスの影響で1年遅れの2021年に開催された欧州選手権(EURO2020)。この大会に向けてトルコは「白のホーム」と「赤のアウェイ」の、2つのユニフォームを投入した。
ところが大会の開幕直前でこの2つが急きょ入れ替わる。つまり「赤がホーム、白がアウェイ」へ変更となったのだ。ホームとアウェイの色が入れ替わるなど、常識的にはまずあり得ない。
つまり、このような感じだ。
トルコ代表ファンやユニフォーム好き以外にはあまり知られていない出来事かもしれないが、関係者は一苦労だったに違いない。
急な色変更の理由は明かされていないが、もしかしたら2002年日韓W杯という“過去の成功体験”がそうさせた可能性もある。
色の入れ替えは一度ではない
EURO2020のユニフォームでまさかの色変更を実行したトルコ。だが入れ替えはその時が初めてではない。少なくとも把握している限りでは2002年の日韓W杯でも行っている。
日韓W杯に向けたユニフォームは当初白がホームだったのだが、大会が始まると赤のユニフォームがホーム扱いに。
色の変更が功を奏したのか赤いトルコは大躍進し、同国サッカー界の伝説となる3位で大会を終えている。ちなみに日韓大会は現時点でトルコが最後に出場したW杯だ。
これは選手用ユニフォームに付けられたタグだが、見ての通り白のユニにホームを示す「H」、赤にはアウェイを示す「A」が印字されている。当初はこの予定だったのだ(TFFはトルコサッカー連盟の略称)。
海外の古着ユニフォームショップで時々白ユニがホームと紹介されているのは、ショップ担当者が色変更の事実を知っているからだろう。これを知る人は今でも“2002年は白がホーム”というイメージが強いかもしれない。
adidasとNikeしか知らない
現在のトルコのキットサプライヤーはNikeで、日韓W杯後の2003年から契約を継続中。
そのNike以前はadidasと契約し、こちらは1983年から2003年までの20年間でパートナーだった。
ではそのadidas以前はというと、実はスポーツ用品メーカーとはサプライヤー契約を結んでいない。つまりトルコはadidasとNikeしか知らないのだ。83年まではいわゆる自社ブランドのユニフォームを着ていたという。
ちなみにトルコを代表する3大クラブ(ガラタサライ、フェネルバフチェ、ベシクタシュ)もスポーツメーカーと契約したのは80年代以降のことで、それ以前は代表チームと同じように自社ブランドのユニフォームを使用していた。
トルコ石カラーのユニがほとんどない
世界中で人々を魅了し愛される美しきトルコ石(ターコイズ)。石のみならずその色自体も人気があり、ターコイズ色は多くのチームでユニフォームに度々使われている。
だがトルコ代表のユニフォームにこの色が使われたのは、たったの2度。2008年(写真上)と2016年の各アウェイユニフォームだけである。
ユニデザインの幅も広がるだけに、これだけ有名で国を代表するトルコ石の美しい色を使わないとは何とももったいない話。
...と思ってしまうが、実はトルコ石の原産地はトルコではなかった。
トルコ石はかつてペルシャ(今のイラン)やエジプトなどで採取され、それが西側諸国へ運ばれる際にトルコを通過したことからその名が付いたという。トルコ自体はこの石とは無関係だったのだ。
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そんなターコイズ色のユニフォームは2008年と2016年の欧州選手権でそれぞれ着用。どちらも美しい色が人気である。
国とは直接的に無関係の色のためデザインに使いにくいのかもしれないが、注目が集まる欧州選手権のユニに採用したということは、本音ではトルコもこの色をもっと使いたいのかもしれない。
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