関係悪化から約7年ぶりの開催 静岡県知事と政令市長のトップ会談知事「定期開催を前向きに」

静岡県知事と静岡市、浜松市の2つの政令市の市長によるトップ会談が9月11日、静岡市で開かれました。約7年ぶりの開催です。

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<静岡県 川勝平太知事>
「静岡市・浜松市・県全体の発展に資する会議になればいいな」

静岡県の川勝知事と静岡市の難波市長、浜松市の中野市長によるトップ会談は、行政課題について意見を交わし、連携を深めることを目的に開かれました。

まず、川勝知事が最重要課題として切り出したのは人口減少についてです

<静岡県 川勝平太知事>
「共通の課題である人口減少問題は県と政令市が連携して取り組むことが重要であると考えます」

川勝知事は、静岡県の人口が10年前と比べ、約19万人減少している現状を説明し、対策の重要性を訴えました。

<静岡市 難波喬司市長>
「(静岡市は)人口減少は県平均よりも浜松市よりも極めて低い状況。これがどこにあるのかをしっかり分析してこれから市政運営をしていかなければいけない」

<浜松市 中野祐介市長>
「晩婚化に伴う子どもが生まれにくくなる影響をプレコンセプションケア(将来の妊娠や体の変化に備えて自分たちの生活や健康に向き合うこと)を含めて若年層からしっかりと教育する必要があるんじゃないか。高校については県と連携してやらなければいけない」

難波市長や中野市長は両政令市の状況を説明し、未婚や晩婚の対策として出会いや教育のサポートなど、少子化に歯止めをかけるための連携の必要性を確認しました。

知事と2つの政令市の市長による会議、通称「G3サミット」は2006年から毎年開催されていました。しかし、2016年のサミットでは。

<静岡県 川勝平太知事>
「静岡市は政令指定都市としては失敗事例」

<静岡市 田辺信宏市長(当時)>
「この公の席で失敗と断じることは断じて看過できません。口出しをしすぎているのではないでしょうか。知事は言葉を選んで発言をしていただきたい」

2016年の会議での発言によって、川勝知事と当時の田辺静岡市長の関係が悪化し、その翌年から開催が見送られていた経緯があります。

こうした中、2023年4月の統一地方選挙で静岡市と浜松市の市長が交代したことを受け、県は7年ぶりのトップ会談の再開に踏み切りました。

<浜松市 中野祐介市長>
「定期的に県と政令市集まって現状課題分析、何をなすべきか、議論することは意味があることだと思っている」

<静岡市 難波喬司市長>
「知事と政令市長の間にこの会がなかったのは大変不思議です。当然やるべきだろうと思います」

<静岡県 川勝平太知事>
「それぞれ両市長はきちんとご自身の意見を盛り込んだ資料を準備されて、実に充実した実質的な会議になった。定期開催について前向きに協力していきたい」

トップ会談は、今後も年1回を原則に定期的に開催する方針です。

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