ぱんちゃん璃奈、復帰2戦目へ決意「いろいろやらかしたけど、実力はあるな」って思われるように

格闘家のぱんちゃん璃奈が、左膝負傷から復帰2戦目となる「MAROOMS presents KNOCK OUT 2023 vol.4」(16日、後楽園ホール)に向けた意気込みを語った。主催者から11日、インタビューが公開された。

大会では49キロ契約(3分3R・延長1R)で台湾出身のチャッキーと対戦。3月の代々木大会でのエキシビションを経て、4月の後楽園で左膝のケガから1年ぶりの復帰を、ワン・チンロンに判定勝ちで果たした。リハビリ中の昨年12月には那須川天心対武尊戦のサイン入りポスターを偽造し、ネットオークションで販売した詐欺容疑のため逮捕され、その後不起訴処分となったものの、不本意な形で世間の注目を集めた。

主催者によるインタビューは次の通り。

──今回、復帰2戦目になりますが、現在の脚の状況はどんな感じですか?

ぱんちゃん:徐々によくなりました。前回はまだ蹴れなかったんですけど、1ヵ月ごとに、徐々に徐々に蹴れるようになってきて、今は全然大丈夫です。

──では、まだ100%ではない?

ぱんちゃん:ヒザの状況的に100%になるということはないと思うんですけど、それに近いところまでは治ってきたんじゃないかと思います。あと、今までは出せる攻撃が少なかったんですよ。左ミドルと前蹴りのみという感じで。でも前回の試合から右ミドルが出せるようになって、ヒザ蹴り、顔面前蹴りなどもできるようになってきました。

──確かに出していましたね。

ぱんちゃん:手術の後、治ってくるまでは背伸びができなかったんですよ。それが回復してきてハイキックとかも可能になって、左足を軸にした攻撃もできるようになってきました。練習していても「やっとできるようになってきたなあ」という感じで、今は楽しいです。

──今回は台湾のチャッキー選手との試合になりました。相手の印象は?

ぱんちゃん:1ヵ月前のボクシングの映像は見たんですけど、キックの試合映像は見てないんですよ。見た限りでは、フックのイメージしかなくて、あとはあんまり印象がないです。

──そんな中で試合へのモチベーションは?

ぱんちゃん:メチャクチャ楽しみですよ。5ヵ月空いたのと、前回1年ぶりの復帰だったんですけど、1年間蹴れてない中でのGOという試合だったので、本当にダメな試合をしたなあという感じがあって。やっとちゃんと練習ができた上でリングに立てるということがすごく楽しみです。どこまで動けるのかなというのが。だから、相手どうこうというのはないですね。リングに立てることがうれしいので。

──今は練習スケジュールはどんな感じなんですか?

ぱんちゃん:今はウィラサクレック・フェアテックスジムに週3回行っていて、大阪の正道会館で週2回、パーソナルで見てもらっています。あとは良太郎さんのTEAM AKATSUKIが週1回と、フィジカルが週2回という感じですね。

──相変わらずハードワークですね。

ぱんちゃん:いえ、以前に比べたらあえて練習してないんです。

──そうなんですか?

ぱんちゃん:以前は週13回練習とかでやり過ぎだったので。今は2部練の日も週に2回ぐらいにしています。3部練もなしで、今は週9回ぐらいですね。その方がパフォーマンスもよくて、動けますね。以前は練習中に動けなくて、だからケガばっかりしていたというのもあるんですよね。一つひとつのパフォーマンスが出なくて、ただ量をこなしていた感じで。そこはフリーになって自分で決められるのが、一番の利点なのかなと。プロは毎日決まった長時間の練習じゃないですか。でも今は「今日は疲れてるから軽めにしよう」という感じで決められるのがいいですね。私にはこのスタイルが合ってます。

──なるほど。大阪でのパーソナルはどうですか?

ぱんちゃん:石井館長に紹介してもらって、湊谷秀文トレーナーのところでやってるんですけど、今まで本当に何も知らなかったんだなって思います(笑)。今までは「もっと強く打って」とか「もっと力を抜いて打って」と言われても、やり方が分からなかったんですよ。そのやり方とか、どこに力を入れるとか、どこを動かすとか全部言葉で教えてくれるので、「あ、こういう感じなんだ」っていうのが初めて分かったんです。今までは「力を抜いて」とか「前重心で」とか言われても、あんまり分からなかったんですよ。それを具体的に「どうやったらこうなるのか」というところから教えてもらって、打撃の打ち方、蹴り方を根本的に変えてもらった感じがします。

──そうなんですね。では、その成果を今回の試合で見せると。

ぱんちゃん:見せられなかったら、それは全て私のセンスがないというだけだと思います(笑)。トレーナーからは「右ストレートと顔面前蹴りが当たったら必ず倒せる」と言われているので、それで倒せなかったら本当に私のセンスがないだけということになりますね。試合のセンスがないなって、自分で思うので。

──そうですか?

ぱんちゃん:いつも思いますね。練習はいっぱいしてきたので、試合のセンスを上げられるようにしたいと思ってます。

──それがこの試合の一番のテーマ?

ぱんちゃん:そうですね。先週までタイに行ってたんですけど、世界のトップ選手たちとスパーをいっぱいして、本当にトップの選手がどのレベルにあるかというのが分かったんですね。もちろん試合は大事なんですけど、練習してきた相手ほどではないので、しっかりいい勝ち方をしなきゃなと思ってます。タイで練習した選手たちから「動画待ってるよ」って言われたので(笑)。

──試合が終わってもドキドキしそうですね(笑)。

ぱんちゃん:「こうやって、こうやってね、映像で確認するから」って言われてて(笑)。タイのみんなにいい動画を送れるような試合をしたいですね。

──最終的に、どういう試合をしてどう勝ちたいと思っていますか?

ぱんちゃん:やっぱり、ダウンは取りたいです。いつも同じことを言ってますけどね。自分の試合に対する考え方はずっと同じで、「倒したい」ということが一番なので、今回も目標は「勝つこと」じゃないです。

──今回の大会はTOKYO MXで生中継もあり、王座決定戦など注目カードが並んでいます。その中で考えることは?

ぱんちゃん:今回も女子の試合はこの1試合だけなので「男子に比べて女子は……」とならないようにしたいです。男女の差を感じさせないようにしたいですね。どうしても男子の試合の間に挟まっていたら比べられちゃうので。他のみんなみたいな派手な試合ができるように、ちょっとでも追いつけたらと。

──『KNOCK OUT』の女子部門はぱんちゃん選手ただ一人という状態ですからね。

ぱんちゃん:もっと来てほしいですけどね。強さを見せられていないので、もっと強くなれば……「いろいろやらかしたけど、実力はあるな」って思われるようになりたいなって思います。前回の試合も、今のままじゃ強さも中途半端だなって思ってます。

──そういう認識をひっくり返したい?

ぱんちゃん:周りが認めてくれても、自分が認められなければ意味がないし、逆に周りから「こいつ、弱いな」と思われてても、自分で強いと思えればそれでいいんですよ。自分とトレーナーさん、それから一緒に練習してる人たちから「あんた、さすがだわ! 強いわ!」って言ってもらえる試合をしたいです。

──では最後に、今回の試合で一番注目してほしいポイントはどこでしょう?

ぱんちゃん:「ケガする前より強くなったな」と思ってもらえるような試合をしたいですね。前回の試合だと、「ケガの前の方が強かったな」となってたと思うので。実際に言われてるし、自分でもそう思うんですよね。「だいぶ強くなったな」と思ってもらえる試合をしようと思うので、そこに注目してください。

──分かりました。ありがとうございました!

(よろず~ニュース編集部)

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