ユベントスのフランス代表MFポール・ポグバは、昨年3月に起きた実兄マティアスも関与した武装恐喝未遂事件を受け、現役引退を考慮していたことを明かした。
ポグバは昨年3月、パリにあるアパートの一室で武装した集団にさらわれ、金銭を要求される事件に巻き込まれた。その主犯の一人が、かつてポグバとマンチェスターで同棲していた知人で、両者の間で約束された金銭的援助がなされていないという理由で事に及んだ。
さらに、その脅迫グループには兄のマティアスもおり、ポグバの心に大きな傷を与えるものとなった。
その事件から約1年半が経過した中、『Al Jazeera』のインタビューに応じたポグバは、その衝撃的な事件が自身の現役引退を考慮させるほどショックなものであったことを明かした。
「お金は人を変えてしまう。家族を崩壊させる可能性もね」
「それは戦争を引き起こす可能性もある。時々僕は一人でこう考えていたんだ。『もうお金は持ちたくない。もうプレーしたくない。ただ普通の人々と一緒にいたいだけだ。そうすれば彼らは自分を愛してくれるだろう』ってね。時には辛いなこともあるよ」
ピッチ外での困難な出来事について苦しい胸の内を語った一方、マンチェスター・ユナイテッド時代から続く度重なる負傷というピッチ内での出来事に関しては、これまでの批判が間違ったものであると証明したいと前向きな姿勢を示す。
「(自身を批判してきた)彼らに過ちを認めさせたい。そして、自分が弱くないことを彼らに示したいんだ」
「彼らは僕のことを悪く言うかもしれないけど、僕は決して諦めない」
「フットボールはとても美しいけど、残酷だ。人は一日で忘れてしまう。何か素晴らしいことを成し遂げても、次の日には何者でもなくなるんだ」
「人々は『彼は終わった、彼のキャリアは終わった』と言いながら待っている。たとえゴールを決め、ワールドカップで優勝した後でも、こういったコメントをもらう。人々はそのことを忘れてしまうし、常に証明し続けなければならないんだ」
「それを受け入れなければならないけど、誰もそんな風に批判できない。そういった批判で精神的に参ってしまったプレーヤーもたくさんいる。ネガティブな出来事のせいで、もうフットボールをすることすら望まなくなってしまった」