自然への感謝届ける NPO法人「音楽の森」金峯山寺で組曲初演

国宝・蔵王堂に歌声を響かせる音楽の森ファミリー合唱団=10日、吉野町吉野山の金峯山寺

 奈良から世界へ音楽の心を発信する奈良市のNPO法人「音楽の森」(荒井敦子理事長)は10日、奈良県吉野町吉野山の金峯山寺蔵王堂(五條良知管長)で新米を奉納し、組曲「ヴァーネェ・サンギーター」を初演した。

 原作は東大寺の前別当、狹川普文さん。1982(昭和57)年に発足したまつぼっくり少年少女合唱団が10周年記念で演じた創作ミュージカル(120分)を、セリフと歌で進行する40分の組曲(作詞作曲=荒井敦子、脚本=南かおり)に編曲。同合唱団など荒井さんが指導する四つの合唱団で構成する「音楽の森ファミリー合唱団」の5〜94歳の男女計33人が出演した。

 ヴァーネェ・サンギーターはサンスクリット語で「森の中で一緒に歌おう」という意味で、地球環境をテーマに愛と歌の力を届ける物語。五條管長は「小さな子どもからお年寄りまで皆が助け合って素晴らしい」とたたえ、「冒険と夢を忘れずに精進してください」と激励した。セリフの一節には五條管長の言葉「みんなようなれ」も入っていた。

 新米と同組曲の奉納は今後、11月にかけて県内社寺3カ所で予定。来年3月には、奈良市の東大寺でまつぼっくり少年少女合唱団41周年コンサートを行う。

 荒井理事長は「初演の成功を胸に、自然に感謝する心を多くの人に届けたい」と話した。

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