【関東大震災100年】原三渓の言葉からたどる横浜復興 三渓園で企画展

原三渓作詞の「復興小唄 濱自慢」のレコード=横浜市中区の三渓園

 生糸貿易で財を成し、関東大震災直後から横浜の復興に尽力した原三渓の記録をたどる展示「大正12年の原三溪 良きも悪しきも」が、横浜市中区の三渓園で開かれている。焼け野原になった横浜の再建に可能性を見いだした原の言葉などを通じ、豊かさの意味も考えてもらう狙い。

 1922年に三渓園は全園が完成し、翌23年4月には大規模な茶会も行われていた。華々しい日々から一転、同年9月1日に起きた関東大震災で横浜港は機能が停止。

 周囲の後押しを受けて横浜貿易復興会の会長となった原は「一週間で市場を再開する」と宣言し、神戸に拠点を移そうとする外国人商人の説得などに奔走したという。

 展示では、市民を活気づけようとした原が作詞した「復興小唄 濱自慢」や、富を持つことの責任について語った言葉などが紹介されている。会場を訪れていた川崎市の岸本和也さん(74)は「富を社会のために使った、これだけ立派な人が横浜にいたんだ」と感心していた。

 12月10日まで。午前9時~午後5時(最終入園は同4時半)。入園料のみで観覧は無料。問い合わせは同園電話045(621)0634。

© 株式会社神奈川新聞社