「日本政府館」は会場のごみ処理場に、大阪・関西万博の構想

『2025年大阪・関西万博』の「日本政府館」の起工式が9月11日、会場の夢洲で開催。同館について「万博の生ごみ1日1トンを再利用するごみ処理施設に」など構想が明かされた。

起工式典会場内に設置された日本政府館のパネル(9月11日・13時〜14時/夢洲)

式典に登壇した同館総合プロデューサーの佐藤オオキさんは、「日本人特有の美意識、季節の移ろいなど、改めて世界に発信する価値のある物をみなさまに再発見いただきたい」と紹介。

「1人ひとりの方が自分事として持ち帰り、次の世代へとバトンタッチする体験価値が生まれるようなものにしたい」と話した。

同館は、人がほかの命とのつながりや循環のなかで生かされている存在であり、地球といういのちの束の一部であることに気づけるように、と「いのちと、いのちの、あいだに」がテーマ。

佐藤さんは、「日本館をごみ処理施設にしたい。万博会場内で発生する生ごみ1日約1トンをバイオマス発電で分解して、水、電気、CO2に変換し、そのエネルギーを日本館で再利用しながら展示物として見せていく、生きているパビリオン」と構想を明かした。

同館は2025年2月末完成を目標に建設予定。万博終了後は、同館で使われたCTL(木質系の建築材料)は企業や自治体で再利用される予定になっている。

取材・文・写真/岡田由佳子

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