秋の県高校野球選手権 大会通して成長した明豊が優勝 【大分県】

第144回大分県高校野球選手権大会

決勝 9月10日 ダイハツ九州スタジアム

明 豊 302 013 000|9

大分舞鶴 004 003 000|7

新チームとなり最初の公式戦で明豊が優勝した。決勝戦は大分舞鶴と対戦、9-7で制し14回目の優勝を果たした。明豊は1回に4番・的場航輝(2年)の左二適時打などで3点を先制した。3回以降も追加点を奪い、追い上げる大分舞鶴を突き放した。

打撃戦を制した形となったが、投手陣の四死球は6。制球が定まらず、走者を出して得点を許す場面が多かった。明豊の川崎絢平監督は「この大会は経験のない投手を使い、試合の中で成長させることを考えていた」と話す。先発の大堀羚斗(1年)、6回から登板した一ノ瀬翔舞(2年)は共に四球からビッグイニングをつくってしまったが、ベンチに戻ると失点の場面の配球、打者との駆け引き、ピンチの時の心の持ち方など細部に至るまで川崎監督と対話を繰り返した。課題ポイントを明確にすることで、次のイニングで修正し、その後は無失点で抑えた。

先制タイムリーを放った的場航輝

「選手を育てるには、失敗をして成功体験を重ねて自信を持たせるのが一番。失敗と成功のタイムラグが短ければ短いほど成長する。特に新チーム立ち上げの夏から秋にかけては、試合の中で反省して、修正することが急成長につながる」と川崎監督。それは打線も同じで、「打てないことを責めるのではなく、打てるボールを打ち損じたことを指摘する。それが技術的なことなのか、配球の読み間違えなのか明確にして、次の打席に立つことが大切」という。

キャプテンの山内真南斗(2年)は「どうすればアウトを取れるか。どうすれば1点取れるか、それぞれが考えながら試合ができた。初戦でタイブレークまで持ち込まれる接戦を経験したことなどで、チームとしての引き出しは増えた。決勝は試合の流れを感じながら、集中打が出て、最後はしっかり守備を固めることを意識して逃げ切れた」と今大会の収穫と手応えを口にした。川崎監督は「勝つことで練習のモチベーションがさらに上がる。次の九州地区予選まで、まだまだ成長できる」と充実感をにじませた。

新チームで優勝のスタートを切った明豊

(柚野真也)

© オー!エス! OITA SPORTS