直接入室できて机についたて、相談員常駐…教室苦手でも安心して 加西の中学校内にフリースクール

個別学習スペースやソファ、テーブル席がある校内フリースクール「あおば」=北条中

 学校には行きたいけれど、教室に入るのは難しい-。そんな中学生に向けて、兵庫県の加西市教育委員会は自分のペースで学習できる「校内フリースクール・あおば」を北条中学校(同市北条町北条)内に開設した。市内4中学校の生徒が利用できる。相談員が常駐し、話し相手になり、学習を見守る。(敏蔭潤子)

 同市教委は総合教育センター内に、教育支援センター(愛称・ふれあいホーム)を設置。学校に行きづらい生徒が、自主学習や語り合い、相談、ハイキング、スポーツ、料理などを体験できる環境を提供している。

 一方、市内の4中学校は、生徒の希望に応じて別室登校で対応している。しかし専任の担当者は配置されておらず、教職員が忙しいときは、生徒が一人きりになる場合もあった。市教委は「生徒たちの居場所の選択肢を広げたい」と、校内フリースクールの設置を決め、今月4日、「あおば」が開室した。

 北条中の1階会議室を改修し、駐車場から直接入室できる入り口を設けた。内部はタイルカーペットを敷き、視界を遮るついたてを取り付けた机9台を用意。だんらんができるテーブル、ソファもあるほか、給食の提供も可能という。

 相談員は中学教諭などの経験がある女性2人で、子どもたちの意思を尊重しながら付き添う。2人は「生徒が長所を伸ばして、自信を積み重ね、何かに挑戦できるようになれば」と話す。

 「ふれあいホーム」「あおば」とも、月-金曜(水曜休み)の午前9時~午後3時。1日の過ごし方や入退室時間は自分で決める。見学と体験入室も受け入れている。問い合わせは各中学校と市総合教育センターTEL0790.42.3723

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