核ごみ「漁業の死活問題」 長崎・対馬で反対集会 きょう請願採決

文献調査受け入れに反対する集会参加者=対馬市豊玉町

 原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定調査を巡る請願が12日の定例対馬市議会で採決されるのを前に、同市の市民団体は10日、豊玉町の豊玉総合運動公園で反対集会を開いた。
 主催した市民団体「核のごみと対馬を考える会」によると、市民や漁業関係者ら約580人が参加。「市曳縄漁業連絡協議会」の西川征二会長(45)は、調査受け入れによる風評被害を懸念し「漁業で生計を立てている漁民にとって死活問題だ」と強調。元小学校長の村井成枝さん(82)=豊玉町=は「自然が豊かで愛情あふれる対馬を守り続けてほしい」と訴えた。
 選定の第1段階となる文献調査を巡っては、市内の業界団体や市民団体などが受け入れに賛否などの立場で計8件の請願を提出。市議会の特別委員会は8月16日、受け入れ促進を求める建設4団体の請願を採択した。

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