日本版DBS 子どもを性被害から守る制度を検討

日本版のDBSは、性犯罪歴のある大人が子どもたちに関わる仕事に就くことができないようにするための仕組みです。過去の性犯罪の情報を一元管理する行政機関をつくり、子どもに関わる仕事の雇用主は、職員を採用する際にこの機関に照会をかけて、過去に性犯罪をおかしていないことを証明する書類を提出させるというものです。イギリスなど海外で導入が進んでいることから「日本版」DBSという呼び方になっています。日本での導入にあたり、制度のあり方について有識者が9月5日に報告書をまとめました。

まず情報の取り扱いです。確認の対象になるのは、裁判所による事実認定を経た性犯罪の前科のみで、被害者の年齢は子どもだけに限定しません。一方で、証拠不十分で不起訴になったり、行政による懲戒処分は確認の対象に含まないとしています。子どもが被害者の場合、証拠がなく子どもの証言だけでは不起訴になることもケースも多いですから、この点は議論を続けてほしいですね。

そしてもうひとつ、この制度を利用する対象の範囲です。学校や保育所、児童養護施設については、職員の採用の際に利用が義務付けられます。一方で、塾講師やベビーシッターなど免許や資格が必要ない職種は任意の利用となりますが、利用している事業者を国が認定することで、保護者が選べるようにしていくということです。

こうした制度について、子どもを持つ親はどう受け止めているのか、取材しました。

「不安な保護者とかいっぱいいると思うので、そういう制度はあった方がいいと思います。」「性犯罪を防ぐという意味では親としては安心かな。改心した人にとっては厳しい現状だと思う。その人自身も見てあげてほしい」「そういう制度ができて確実に(子どもが)守られるならいいですけど、かいくぐってというのも起きるし、完全には守られないかもしれないけど、制度としてできるなら賛成ですね」

この制度だけで子どもの被害が防げるわけではないですが、小さい子を持つ親からは日本版DBSについて賛成の声が多く聞かれました。

© TOKYO MX