マシントラブル乗り越え、鈴鹿のレースでV 電動車でタイム競う「エネワン」、明石高専が部門別で

エネワン・スズカチャレンジの大学・高専・専門学校部門で優勝した明石高専の学生ら=明石市魚住町西岡

 自作の電動車でタイムを競うエネワン・スズカチャレンジに、明石高専(兵庫県明石市魚住町西岡)の部活エコランプロジェクトが出場し、大学・高専・専門学校の部門で優勝した。出場経験のある先輩たちから引き継いだ課題を克服しようと現役メンバーたちが力を合わせ、結果につなげた。(長尾亮太)

 5.8キロある鈴鹿サーキット(三重県)の国際レーシングコースを3周し、かかった時間を競う。動力源は充電式単3電池40本で、レース中には充電できないため、3周を完走することも難しい。

 今年の大会では、出場した100チームのうち完走できたのが54チームにとどまった。明石高専は完走し、34分5秒のタイムは全部門を通じると32位だった。

 明石高専の出場は3回目となる。2回目の昨年は初の完走を果たし、今年は大幅なタイム更新を狙った。これまで手動だった電流の制御を自動化し、効率よく走れるようにした。休日や早朝の時間を使って校内で走行練習を繰り返し、大会当日まで改良と調整を重ねた。

 当日は1周目からチームにとって過去最速となるタイムを出し、好スタートを切った。2周目の途中でマシンが止まるトラブルに遭ったが、ドライバーの小村梁真さん(18)らが落ち着いて対応し、時間のロスを最小限にとどめた。3周目では、電力が想定以上に残っていたためスピードを出す区間を増やし、1周目を上回るタイムを残した。

 チームは車両製作で使う溶接道具やボディ素材を提供してもらうなど、企業からも支援を受けてきた。西本悠晄部長(18)は「多くの方たちに支えてもらったおかげ」と語った。

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