自転車ヘルメット購入費、県が1人4千円助成 高齢者や子育て世帯対象 着用率、警察庁調査で全国ワースト1.9%

自転車専門店で販売されている自転車用のヘルメット=姫路市飾磨区上野田1、自転車デポ姫路中央店

 兵庫県は12日、自転車に乗る際のヘルメット着用を促進するため、高齢者や子育て世帯を対象に、1人4千円を上限に購入費を助成すると発表した。自転車利用時のヘルメット着用は改正道交法の施行で4月から全年齢の努力義務となったが、県内の着用率は1.9%と低迷している。12月にも申請の受け付けを開始する。

 同様の補助は東京、愛知、徳島の3都県が実施しているが、助成額はそれぞれ2千~3千円で、兵庫県が最大となる。

 県によると、警察庁が4月に兵庫を含む13都府県の着用状況をまとめたところ、熊本県の7.8%が最も高く、次いで東京が5.6%。関西では大阪2.4%、京都4.2%で、兵庫の1.9%は調査対象の中で最も低かった。

 県のヘルメット購入助成の対象は、高齢者(65歳以上)▽18歳までの子どもを育てる世帯▽大学生ら。昨年、兵庫県内で亡くなった22人のうち16人(73%)が65歳以上で、全員がヘルメットをかぶっていなかった。

 申請は専用のウェブサイトで受け付ける。オンライン手続きが難しい高齢者らのために、市町による入力支援も検討している。給付は現金ではなく、「PayPay(ペイペイ)」や「d払い」など、キャッシュレス決済で使えるポイントを選択制で付与する方向。キャッシュレス決済を利用しない人にはクオカードを送る。

 県は経費として約7億9千万円を見込んでおり、9月20日開会の県議会定例会に提出する一般会計補正予算案に盛り込む。(田中陽一)

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