【MLB】 エンゼルスが延長の熱戦を制す オホッピーが4試合4本塁打と復活

写真:2本塁打を放ったエンゼルス・オホッピー

エンゼルスが延長の末、マリナーズを下した。マリナーズは1回に3番テオスカー・ヘルナンデスの犠牲フライ、4番カル・ローリーの2ラン本塁打で幸先よく先制。しかし、2回と4回にエンゼルスの5番ローガン・オホッピーが2打席連続本塁打を放って同点に。その後はマリナーズの先発ローガン・ギルバート、エンゼルスの先発リード・デトマーズが7回まで好投し、試合は膠着状態となる。

9回には両チームともビッグチャンスを作ったが、得点はなく試合は延長へ。10回表、エンゼルスはあっさりと2アウトを積み重ねたが、3番ブランドン・ドルーリーがレフトへ勝ち越し2ラン。しかし、10回裏にフリオ・ロドリゲスが30号同点2ランを叩き込み同点に。フリオはこれで史上44人目の「30本塁打・30盗塁」を達成した。

しかし、フリオの同点本塁打の後にマリナーズ打線は勝ち越しならず。11回表にランドール・グリチック、ノーラン・シャニュエルの2本のタイムリー、そしてタイムリーエラーもあって、エンゼルスが3点を勝ち越して勝負あり。エンゼルスが8対5で3連勝を決めた。

首位アストロズがアスレチックスにまさかの完封負けを喫したが、2位マリナーズは詰め寄ることができなかった。3位レンジャーズが勝利したことで2位と3位が入れ替わり、これで首位とは2.5ゲーム差となっている。アストロズは今のアスレチックスとのシリーズの他、リーグ最低勝率ロイヤルズとのシリーズも残しており、ここにきて直近7年で6回目の地区優勝が現実味を帯びてきたかもしれない。

エンゼルスで活躍が光ったのは捕手のローガン・オホッピーだった。オホッピーは2打席連続で本塁打を放ち、ここ4試合で4本塁打の大暴れを見せている。

8月18日から9月7日までの間、オホッピーは60打席でわずか8安打。打率.145と苦しんでいた。

4月に右肩関節唇損傷の大怪我を負ったオホッピーは、当初リハビリを最長の20日間行う可能性もあったが、わずか8試合28打席のみのリハビリで復帰してきた。

ネビン監督が『オレンジカウンティ・レジスター』に語ったところによれば、エンゼルスはオホッピーが復帰後に打撃で苦しむリスクは承知していたとのこと。しかし、それ以上に当時のエンゼルスはオホッピーの捕手としての守備力を必要としていた。

オホッピーが復帰した当初と比べれば、チーム状況はガラッと変わり、もはやエンゼルスはプレーオフを目指すという状況ではなくなった。幸いなことにオホッピーの肩には何ら問題はないようで、復帰を急いだことによる再発のリスクなどは低そうだ。

オホッピーにとっては来季に向けて打撃復調のきっかけを掴みたいところだったが、そのきっかけは突如として訪れた。それが現地8日のガーディアンズ戦で飛び出したホームランだった。

オホッピーは「そのホームランで何かがひらめいた。それを土台にしようとしている」(『ミッドランド・デイリー・ニューズ』)と、浮上のきっかけを掴んで無駄にしていない。

大谷翔平のFAが迫り、さらにマイク・トラウトのトレードの噂も持ち上がり、エンゼルスの未来には暗雲が立ち込めている感は否めない。しかし、この23歳の司令塔の復活は数少ない光明となるはずだ。

大谷翔平は当初はスターティングメンバーに名を連ねていたが、直前の打撃練習で「100%ではなかった」ということで出場を回避。これで8試合連続で出場なしとなっている。

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