神尾楓珠が“クアトロ主演”「いちばんすきな花」3人目の主人公。繊細な思いを抱えるナイーブな青年役

神尾楓珠が、フジテレビ系で10月12日にスタートする連続ドラマ「いちばんすきな花」(木曜午後10:00。初回は20分拡大)で主演を務めることが分かった。「本音で話せる友達がほしい」という思いを抱える青年役を担う。

「いちばんすきな花」は、4人の俳優が主演を務める“クアトロ主演”という新しい形のオリジナルドラマ。フジテレビ系で2022年10月期に放送された「silent」の村瀬健プロデューサーと脚本家・生方美久氏が再びタッグを組み、年齢も性別も過ごしてきた環境も違う4人が奏でる、見る者の心を静かに揺さぶる新たな時代の“友情”の物語だ。4人の主人公のうち、既に多部未華子と松下洸平の主演が明らかになっており、このたび、3人目の主人公として神尾が発表された。

潮ゆくえ(多部)、春木椿(松下)、深雪夜々、佐藤紅葉(神尾)。全く違う4人の主人公が、それぞれの日常の中で、友情や恋愛にまつわる人間関係の問題に直面する。境遇だけでなく、考え方も全く違う彼らが巡り会い、それまで別々だった4人がいつしか重なり合い、4人の間に生まれる感情と、彼女たちを取り巻く人々との間に生まれる感情を丁寧に描きつつ、“本当に大切なものは何なのか”を考える。愛すべき登場人物たちを優しい気持ちでずっと見つめていたくなる、クスッと笑って、フワッと泣ける、友情の物語であり、同時に恋愛も含めた“愛”の物語となる。

神尾が演じる紅葉は、ゆくえの幼なじみ。東京のコンビニエンスストアで働きながら、イラストレーターになるという夢を追いかけている。小学生の時には、当時高校生だったゆくえと家族ぐるみで遊んでいたが、ゆくえが大学進学を機に地元・新潟から離れて、年賀状のやりとりをする程度の間柄に。そんな紅葉は、周囲から“友達が多いヤツ”というイメージを持たれ、自分自身もそのキャラクターを演じている一方、本当は「昔から、一対一で向き合ってくれる人がいなかった」という思いを抱えている。大人になった今も嫌な記憶に縛られており、本音で悩みを打ち明けられるような友達がいない。人とは表面的にしか関われない自分の薄っぺらさに気付きつつも、誰でも構わず“友達”と言って素知らぬ顔をしてやり過ごしてきた。それでも夢を追いかけ、日々アルバイト先のコンビニでイラストを描き続けていたある日、ゆくえと再会。思いがけない再会に、かつて自分が抱えていた気持ちを思い出す。

「主演の1人を演じるということを聞いた時は少し構えてしまいましたが、あまり意識せずに自分にできることを精いっぱいやっていきたいです」と意気込む神尾は、「愛や友情などの人間の根本の部分というのは抽象的で難しい中で、人間関係や心情がすごく丁寧に描かれていると思います」と率直な感想を語った。

紅葉を演じるにあたり「現時点では、捉えどころがなくて不思議な人物だなというのが、正直な感想ですが、オリジナルストーリーなので、紅葉が抱えている悩みや、多部さんが演じるゆくえをはじめとするほかの人物とのつながりの中で、紅葉という人間としっかり向き合っていきたいです」とコメント。「きっとすてきな作品になると思いますし、僕自身も一生懸命頑張るので、ぜひ楽しみにしていてください」とアピールした。

ドラマを手掛ける村瀬プロデューサーは「多部未華子さんと松下洸平さんの出演が決まり、もしもその2人を慕う年下男子キャラクターをつくるとしたら、誰に演じてもらったら面白くなりそうかと考えていた時、神尾楓珠さんの顔が浮かびました。なんとなくですが、2人を慕いそうにない感じがしたからです」と振り返る。

それは、あくまでイメージとして、これまで演じてきた役を見てのことだそうだが、あらためて神尾の魅力については「涼しげながらも強い意志を感じさせる“目”にあると思います。力強さを感じさせながら、でもどこかナイーブで、はにかんだ笑顔を見せながらも心の奥の方では別の秘めたる思いを抱いている、そんな雰囲気を感じていました」と語る。そして「おそらく、神尾さんにはまだ誰にも見せていない隠された面があるに違いない、それを引っ張り出したい、という気持ちに駆られました。そして、それこそが、このドラマの紅葉というキャラクターを演じてもらう上で必要な要素だと感じたので、お声がけをし、ありがたいことに快諾をいただきました」と起用に至った経緯を明かした。

紅葉というキャラクターについては「表面上は友達がたくさんいて楽しそうにしているのですが、本当はその中に本音を話せる相手が1人もいないことにも気付いている青年。そういう紅葉が心の底から笑える日が来たらいいなぁ、という僕の思いを、心の底から笑っているイメージが湧かない神尾さんに乗せて見ていきたいと思っています」と期待を寄せた。神尾からは、憂いをまとったナイーブさを感じているとのことで、「往年の名優、ジェームズ・ディーンのような雰囲気。そういう神尾さんだからこそ、ナイーブながらも愛すべき青年である紅葉を見事に演じてくださると信じています」と話している。

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