憲法改正は秋の臨時国会で進展あり?議論のポイントは?なぜ今まで実現しなかった?選挙ドットコムちゃんねるまとめ

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2023年9月9日に公開された動画のテーマは……秋の臨時国会 憲法改正議論は進むのか?

ゲストに弁護士で国際人道プラットフォーム代表の菅野志桜里氏をお招きし、憲法議論の基礎について語っていただきました。

秋の臨時国会で議論される改憲のポイントとは?

【このトピックのポイント】
・秋の臨時国会で改憲勢力が一致できる憲法改正案を取りまとめられるか
・緊急事態条項は野党からの提案でも与党が合意できる可能性あり
・与野党で対立しそうな論点は緊急政令

憲法改正 秋の臨時国会で進展か

岸田首相は総裁任期内の憲法改正を公言しており、その実現には今秋の臨時国会で改正案を取りまとめることが必要です。

現在、改憲勢力は衆参ともに憲法改正の発議に必要な3分の2を超えています。それにもかかわらず改憲が進まないのはなぜなのでしょうか。

MC伊藤由佳莉の問いに対し、菅野氏は「改憲勢力という言葉の使い方に問題がある」とコメントします。

菅野氏によると、改憲勢力の中で改憲すべき論点が一致していないことが改憲が進まない要因とのこと。どのような改正案であれば合意できるのかを議論することが秋の臨時国会のポイントとなりそうです。

改憲案のポイントについて、菅野氏は緊急事態条項に言及。緊急事態条項とはパンデミックや戦争など、緊急事態下においても国会・内閣・裁判所の三権が正しく機能できるように定めるものです。

これまで約2年にわたって憲法審査会で議論が重ねられ、今夏には日本維新の会・国民民主党・有志の会の3党派が合意した緊急事態条項案が出されました。秋の臨時国会ではこれらをもとに具体的な議論が進展することが予想されます。

維新と国民が憲法改正シンポジウム開催 その内容とは?

8月19日に日本維新の会・国民民主党・有志の会の3党派は憲法改正に関するシンポジウムを開催。菅野氏はモデレーターとして参加し「極めて建設的な新しい議論」とSNSに投稿しました。

シンポジウムの注目ポイントとして菅野氏が挙げたのは、具体的な憲法改正案が野党から提案されたことが1つ。憲政史上初めてに近いことではあるものの「権力をけん制していく憲法案が野党側から出ることは、自然で健全な動きだと思う」とコメントしました。

もう1つは緊急事態条項が提案されたこと。これは、緊急事態下で独裁的な政権を生まないためのもので、世界の憲法の約9割に規定されています。

今回提案された案では、議論の場である国会の緊急事態下での国会解散禁止などを明記しており、菅野氏は「日本社会にとって新しい提案」とコメントしました。

MC伊藤「野党からの提案だと与党にとってはやりにくくなるのでしょうか?」

MC伊藤の問いに対し、菅野氏は緊急事態条項案の一部は与党からも必要性が指摘されてきたことを挙げ、「これだけは最初に必要だよね、と合意できる可能性はある」とコメントしました。

一方で与野党で対立しそうなポイントについて、菅野氏は緊急政令に言及。これは、緊急事態発生時に内閣が法律に代わり制定するもので、野党からの提案では「引き続き検討する」という言葉にとどまっています。

菅野氏は提案の中に議論できる「余白」があることを評価。秋の臨時国会で緊急政令の是非を含め、具体的な議論がなされることに期待を寄せました。

また、今回のシンポジウムではオンライン中継があり、一般の有権者も参加可能な形式で開催されました。内容もAIの時代における人権や誹謗中傷から尊厳をどう守るかといった、身近な切り口からの憲法改正の必要性について議論されたとのことです。

菅野氏は、国会議員と一般の有権者が話し合えるシンポジウムとなったことを評価するとともに、今後の憲法議論について「(市民が興味を持てる)そういった形で新しい議論を展開していけるといいと思います」とコメントしました。

動画本編はこちら!

憲法改正は秋の臨時国会で進むのか?これまで実現できなかったのはなぜ?

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