島根の益田市医師会に賠償命令 手術で眼球に後遺障害

松江地方裁判所=松江市

 島根県益田市の病院で鼻の手術をした男性(60)が、医師の誤りにより眼窩の一部を損傷し、眼球に後遺障害が生じたとして、病院を運営する益田市医師会に約7420万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で松江地裁は11日、約1041万円の賠償を命じた。

 判決によると、男性は2016年ごろから鼻づまりなどの症状があり、副鼻腔炎の疑いがあるとして手術を勧められた。19年、益田地域医療センター医師会病院で手術を受けたが、右眼球に運動障害が残った。

 男性は後遺障害により当時勤務していた建設会社で仕事を続けるのは難しいとして依願退職し、再就職も困難だと判断したことについて三島恭子裁判長は判決理由で「資格や経験、能力等を生かした労働の可能性がないとはいえない」と指摘。労働能力喪失率は14%が相当と認定した。

 益田市医師会は「判決内容を見ていないため、コメントは差し控える」とした。

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