盗塁王争い独走、プロ目指す 和歌山ウェイブス小川選手、野球の関西独立リーグ

盗塁を狙う小川佐和選手(和歌山県の上富田スポーツセンター野球場で)

 和歌山ウェイブスの小川佐和選手(23)が、今季の盗塁王争いを独走している。7日現在の盗塁数は53(43試合)で、2位に13差。1試合に1個以上のペースだ。今季は残り5試合。自慢の走力でプロ入りを目指す。

 小川選手は独立リーグ1年目で、和歌山県田辺市出身。今季は「1番・中堅」でフル出場している。12日現在、打率2割9分6厘をマークし、得点44はリーグ1位。盗塁数53は、2020~22年のリーグ記録で最多の37を大きく更新する。快足を生かした守備でチームを助けることもあり、現在首位のチームを引っ張っている。

 出塁すれば二盗、三盗を立て続けに成功させるケースが多い。小川選手は「意識しているのはスタート。上体が浮かないようにしている」と話す。

 今季はリーグ選抜チームのメンバーに入り、プロ野球の阪神やオリックスの2軍などとの交流戦に出場して盗塁も決めた。

 目標は今秋のドラフト指名。地元のファンらは「この1年で決めてほしい」と、チーム初の快挙を期待する。プロ球団のスカウトが見に来た試合もあった。元プロ野球阪神などで活躍し、現在はウェイブスの球団代表兼ゼネラルマネジャーを務める濱中治さんも「かなり足が速く、盗塁の技術も高い。指名される可能性がある」と注目する。

 5日、上富田町朝来の上富田スポーツセンター野球場であった兵庫ブレイバーズとの公式戦では、バント安打を成功させるなど4打数2安打、2盗塁をマークした。

 小川選手は「今季は60以上の盗塁を決めて、絶対に優勝する。足を使ったプレーで持ち味をアピールしたい」と話している。

 小川佐和(おがわ・さわ) 身長167センチ、体重70キロ。右投げ左打ち。田辺第二クラブ(現在はTANABEクラブに統合)、東陽中学校でプレーした後、島根県の石見智翠館高校でプロを目指した。卒業後、地元に戻って働きながら軟式野球を楽しんでいたが、再びプロを目指そうとウェイブスへ入った。

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