西脇市立小でいじめ、市教委が「重大事態」認定 3年女児、入学1カ月後から 「死ね」などと言われ、暴力・金銭被害も 兵庫

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 兵庫県西脇市立小学校に通う小学3年の女児(9)が他の児童からのいじめに遭い、市教育委員会が「重大事態」と認定していたことが、同市教委への取材で分かった。第三者委員会の調査報告書では、女児が他の児童に「死ね」「学校に必要ない」などと言われ、金銭的な被害もあったと認定した。女児は不登校の状態が続いている。

 同市での重大事態の認定は初。第三者委は弁護士、学識経験者ら5人で構成され、2022年9月から計8回の会合を開いた。女児や他の児童、学校関係者へのヒアリングも重ね、今年6月に報告書をまとめた。

 報告書は、女児が小学校に入学して間もない21年5月ごろからいじめに遭っていたと指摘。押されて転び、頭にこぶができた▽「学校に必要ない」などと複数の児童から言われた▽お菓子をおごらされた-など、複数の被害を認定した。

 女児は22年6月から不登校となった。報告書は「疎外感を覚え、自分は学校に必要ないという受け止めをした」とし、いじめが直接の原因になったと認めた。

 学校の対応については「体制が不十分」「積極的認知が欠如していた」などと不手際を批判。他の教諭がこの問題への関わりを避ける態度を取ったため、「担任1人に負担が集中した」と指摘している。

 女児の両親は「担任や学校の対応には今でも納得できない。報告書の内容も不十分だ」と不信感を募らせている。市教委は「女児の気持ちを第一に、弾力的な対応を検討したい」としている。(伊田雄馬)

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