3年生、夏物語2023 なぎなた女子 日本一へのラストチャンス 浦田咲春(大分西3年) 【大分県】

高校生活で日本一になる最後のチャンスが鹿児島国体となる。なぎなた少年女子の県代表として出場する浦田咲春(大分西3年)は、「連覇のプレッシャーはあるが、昨年の優勝は先輩たちが達成したもの。私はまだ日本一になったことがない。これまでの競技生活の全てを出し切りたい」と強い覚悟を示した。

小学3年からなぎなたを始めた浦田のモチベーションは「母を倒すこと」だった。指導者である母の背中を追い、「いつか追い抜くこと」を目標とした。高校は母が監督をする福徳学院を選ばず、大分西を選んだのは「守破離」の精神からだ。小学校の頃は母の教え、形、技を忠実に守り、確実に身につけた。中学は母の教えをベースに自分の考えも取り入れ、心技を身につけた。高校は母から離れ、独自の新しいものを生み出そうと自立を選んだ。

得意の飛び込み面を狙う浦田咲春

小柄な浦田は巧みになぎなたを操り、自分の間合いを知る。築城理恵監督は「足を止めず、相手との距離を保ち、冷静に勝負できる。1年の頃から全国大会に出場しているので経験もある」と信頼を寄せる。全国高校総体、全国高校選抜大会にはそれぞれ2度出場し、表彰台を経験しているが、日本一になったことはない。今夏の全国高校総体は団体で3位、個人の演技競技で3位とあと一歩優勝に届かなかった。「評価できる部分もあったが満足はしてない。もう一度、自分のなぎなたを思い出し、どれだけ速く自分の間合いで勝負できるかを突き詰めたい。絶対勝つというメンタルも必要になる。今後はどうなるか分からないが、競技生活の集大成との思いもある」と国体を一区切りと考えている。

国体予選となる九州ブロックでは、勝負を左右する次鋒としてポイントゲッターとなった。得意の面がさえ渡った。全6試合のリーグ戦で面による一本を決めて、国体出場の立役者となった。試合後に普段はあまり褒めない母から、「迷わず、気負わず振れていたね。よかったよ」とうれしい言葉をもらった。国体で優勝した経験のある母に追いつき、追い越すためには「日本一になるしかない」と活躍を誓った。

国体で日本一を目指す

(柚野真也)

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