別府市のウクライナ避難民が稲刈り体験 日出町の農家が企画「支援の輪広がれば」【大分県】

コンバインに乗って、稲刈りを体験するウクライナ避難民(右)=日出町藤原

 【別府・日出】別府市内で暮らすウクライナ避難民を対象にした米の収穫体験会が9日、日出町藤原であった。日本生活を有意義に過ごしてほしいと、地元農家が主催した。コンバインにも乗ってもらい、初めての実りを一緒に楽しんだ。

 農業上田幸徳さん(68)がボランティアで企画。今春の田植え前の準備から交流が始まった。自宅近くの田んぼに避難民10人を招き、コンバインや手作業での刈り取りを体験してもらった。農業機械販売「ヰセキ九州」の日出営業所が協力した。

 避難生活を日頃から支援し、今回の交流イベントも支えたNPO法人「ビューティフル・ワールド」(別府市田の湯町)によると、ウクライナは小麦畑が広がっており、避難民は稲作になじみがなかったという。

 ハリコフから来たスビトラーナ・ガライコさん(59)は初めてコンバインで収穫。「日本で暮らすだけでなく、米作りまで体験するなんて想像もしていなかった。楽しい」

 上田さんは「避難民のために自分ができることをしてあげたい。日本社会で支援の輪が広がる一助になれば」と話した。

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