パナソニック、「G9 PRO II」発売。高画質と高速性能を備えたマイクロフォーサーズマウントのフラッグシップモデル登場

パナソニックは、静止画のフラグシップモデルとなるミラーレス一眼カメラ「G9 PRO II」を2023年10月27日に発売する。価格はオープン。ラインナップと市場想定価格は以下の通り。

  • G9 PRO IIボディのみ:税込23万700円前後
  • G9 PRO II標準ズームレンズキット(LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm F2.8-4.0付属):税込30万3,900円前後
  • バッテリーグリップ「DMW-BG1」:税込3万8,300円前後
標準ズームレンズキットには12mmから60mmのLEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm / F2.8-4.0を付属する

G9 PRO IIは、描写性能を支える基幹デバイスとして新開発のイメージセンサーと新世代ヴィーナスエンジンを搭載。イメージセンサーは、GH6のイメージセンサーから進化しており、像面位相差AFや全ISO感度対応のダイナミックレンジブーストに対応した25.2メガピクセルを実現している。

高画素化によりG9 PROよりも一画素あたりの受光面積は小さくなるが、S/N比の改善で高画質化を実現。ベース感度はISO100に対応し、明るいレンズも使いやすくなったという。

カメラ有効画素数2521万画素の4/3型Live MOSセンサーを搭載

画質面では、GH6で初搭載した高い階調性能を発揮するダイナミックレンジブーストを搭載する。一般的なダイナミックレンジブースト機能は、HDRを生成する機能で複数露光で合成する機能を指すが、G9 PRO IIでは単一露光の信号に2つのゲインをかけて明るい映像と黒い暗い映像を合成してHDRを生成する。GH6では一定条件のISO感度限定でしか対応していなかったが、G9 PRO IIでは全ISO感度に使用範囲を広げている。また、G9 PROと比較して、RAW撮影時のシャドウ部の階調を大幅に進化させている。

G9 PRO IIは、Gシリーズとして初となる像面位相差AFを搭載する。イメージセンサーの全領域のほぼ全域をカバーする779点の測距点を備える。ダイナミックに動く被写体をとらえるだけでなく、自動認識AFとの組み合わせにより、逆光や低照度撮影での被写体が判別しにくいシーンや、複数の人が交差するシーン、より小さな被写体においても、優れたAF追従性能を発揮するという。

像面位相差AFとDFD(空間認識AF)による高精度のコントラストAF技術を搭載し、ディープラーニングによる進化したAFとの組み合わせでリアルタイム認識AFも大幅に進化しているという。

G9 PRO IIでは、認識AFの被写体を追加しており、これまでの人物、人物の瞳、動物認識対応のほか、新たに動物の瞳認識、車やバイク、モータースポーツ認識に対応。また、認識AIの部分を1から再設計して、従来の人物、動物に対しても大幅な性能アップを実現。人物と動物認識のモードを区別し、認識性能も向上している。人物認識においても、人物を上半身のみで検出できるようになり、より正確な認識が可能になったという。

左の画面はコントラストAFのG9 PRO、右は像面位相差AFのG9 PRO II。G9 PRO IIはスムーズにAFが照合し、合うと枠が緑色になる。また、右のG9 PRO IIは動物と人物をきちんと判断して、人物をきちんと捉えることが可能

像面位相差AF、認識AFの進化、アルゴリズムの改善などにより、リアルタイム認識AFシステムとしても大きな進化を実現している。被写体が向かってくるシーンにおける胴体の追従性、複数の被写体が存在するシーン、逆光シーンや低照度での撮影、点光源のあるシーンなどで精度が向上している。

動画性能は、4:2:2 10bitの4K120P記録、4:2:2 10bitの4K60P記録を筆頭に、多彩な10ビット記録に対応。このほかにも5.7KやALL Intra記録にも対応。また、13+ストップでのV-Log撮影も可能。USB SSD記録にも対応し、ProRes記録も可能としている。

また、バッファメモリの増量により、高速撮影、高速連射時も3秒以上の連続撮影が可能。G9 PROで好評のプリ連写機能を引き続き搭載し、G9 PROの0.4秒前を改善し、G9 PRO IIでは1.5秒前から遡ることを可能としている。

記録メディアはSDメモリーカード/SDHCメモリーカード/SDXCメモリーカード(ビデオスピードクラス90対応)に対応

手持ち撮影に対応した約1億画素相当の高解像撮影モード「ハイレゾモード」に対応。ボディ内手ブレ補正(B.I.S.)の機構を活かして、センサーをシフトさせながら計8回の連続自動撮影を行い、高解像画像を生成することを可能としている。

ボディ内手ブレ補正は、G9 PROの6.5段から大きく進化している。高精度のジャイロセンサーを搭載して、新たな制御アルゴリズムと取り付け構成を考えた結果、B.I.S8.0段、Dual I.S2 7.5段を達成。動画撮影時などに発生するブレの状態を判断し、ブレ補正ユニットの能力を最大限発揮させることができるアクティブ I.S.を搭載し、歩き撮りなどでの大きな手ブレを補正できるという。

ホワイトバランス、ISO、露出補正の3連ボタンをG9 PROから踏襲する。ジョイスティックは縦・横・斜めの8方向操作に対応。バッテリーグリップ「DMW-BG1」のジョイスティックも8方向操作に対応している。

WB/ISO/露出を瞬時に切り替えられる「3連ボタン」を搭載

ライブビューファインダーは、約368万ドットの解像性能を搭載。アイポイントは約21.0mm、0.8倍のOLEDファインダーを搭載している。184万ドット。高輝度、高色域のモニターを搭載する。

G9 PRO IIに対応するバッテリーグリップ「DMW-BG1」を同時に発売する。G9 PRO II本体と同じ8方向操作のジョイスティックを搭載し、同じ操作感で使用可能。S5 II、S5 IIXでも使用可能としている。

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