9月8日から10日にかけて、北海道帯広市を中心にJRC全日本ラリー選手権第7戦『RALLY HOKKAIDO（ラリー北海道）』が開催され、同イベントで実戦デビューを飾った新型スバルWRX S4（新井敏弘／保井隆宏組）は総合4位入賞を果たした。
ラリー北海道は、全8戦で争われる全日本ラリー2023年シーズンにおける終盤の一戦であり、前戦の第6戦ラリー・カムイに続く今季2度目のグラベル（未舗装路）イベントだ。高速の林道ステージや、ターマック（舗装路）とオフロードコースがミックスされるステージなど多彩なSSで構成される同ラリーは、8日（金）に帯広駅前で行われたセレモニアルスタートで開幕。翌9日土曜から競技がスタートした。
■ブレーキトラブルが出つつも、レグ1から4番手につける
SUBARU RALLY CHALLENGEの今季活動休止にともない、SUBARU TEAM ARAIからトップカテゴリーのJN1クラスにエントリーした新井／保井組にとって、今大会は第4戦久万高原以来の復帰戦となっただけでなく、期待の新型マシン『スバルWRX S4』でのデビュー戦でもあったが、その競技初日は全8SS、合計103.89kmの長丁場。5月に行われた新型車両の発表以降テストを繰り返してきたとはいえ、過酷な初陣となった。
新車での初実戦の難しさはレグ1の午前中からさっそく現れた。SS2でブレーキトラブルの症状が出始め、とくにロングステージ後半のコーナーで曲がりにくい状況に陥ったのだ。それでも新井は、リタイア車両が続出するサバイバルラリーを生き残り競技初日を4番手で走破してみせる。
「ライバルに比べてエンジンの優位性はあるように感じた」とレグ1後に語った新井だが、翌日のレグ2最初のステージとなったSS9ではそのエンジンが止まってしまう症状に見舞われた。
また、今大会12年ぶりに実施されたスーパーSS“イケダ”の1回目では、雨でぬかるんだ路面に苦戦を強いられることに。しかし最後まで順位を守り、総合4位／JN1クラス4位で新型WRX S4のデビュー戦を走りきっている。
■「とても安定感を感じました」
「いろいろなことが起きて大変なラリーとなりましたが、新型WRX S4にとって、長丁場のグラベルを走り切ってデータを収集できたことは大きな収穫だったと思います」と、ついにデビューしたWRX S4の初実戦を振り返った新井。
「FA24エンジン（2.4リットル水平対向4気筒）はトルクがあって、6速に入ってからの伸びをすごく感じます。また、SGP（スバルグローバルプラットフォーム）でボディがしっかりしていますし、とても安定感を感じました」
「一方で、いろいろと課題も見つかりましたが、実戦を走ってみないと分からない部分が明確になったので、有意義なラリーだったと思います」
JP4規定の新型マシン『スバルWRX S4』と新井／保井組が挑む全日本ラリーの次戦は、シーズン最終戦『第50回M.C.S.C.ラリーハイランドマスターズ2023』だ。グラベル2連戦後のターマックイベントとなる同ラリーは岐阜県高山市を舞台に、10月13～15日に開催される。
