異論続出…土堂小など3校統合する尾道市の学校再編計画 広島

広島県尾道市が計画している市内中心部の学校の統廃合。14日の市議会で、関連条例の改正が採決されますが、地元住民からは異論も。何が起きているのでしょうか。

寺田記者

「尾道らしい景色が広がり市内中心部にあるこちらの土堂小学校。地域の方にも愛されているこちらの学校の統廃合計画が明らかになりました。」

風光明媚な景観と、レトロな街並み。そんな尾道市の中心部にある土堂小学校。

尾道を舞台に数々の映画を撮影した故・大林宣彦監督の母校としても知られています。

尾道市教委の計画では、耐震強度が低いとして現在、仮校舎に移っている土堂・久保・長江の3校を1つの小学校に。

また、長江と久保の2つの中学校も統合するとしています。市民から異論が出ているのは、中心部から遠いその建設場所。

寺田記者

「こちらの道路中心部に抜けるため、いつも交通量が多いんですが、その先こちらのグラウンドに新たな学校が予定されています。」

寄付活動を続ける市民グループまなぶ千余の会 福島光宏さん

「街中に学校が無くなってしまうということが尾道にとって損失だと思います。どこも人口流出が悩みになってるけど街中に小学校が無くなってしまったら街中に人が住んでもらうことがほぼなくなってします。」

さらに交通量の多い道路が通学路となるのも問題だとしています。

新たな小学校では体育館も入る5階建ての校舎が計画されていますが、その金額にも異論が・・・。小中学校あわせて64億円かかるのです。

市民グループ 福島光宏さん

「こんなにお金をかけるならもっとやり方があるだろうという議論をしないといけない。でもスケジュールが先に来て可決されようとしているのが本当に市民にとっていいのか。土堂小の問題ではなくて市民全体のお金の問題でもある、」

市民グループが土堂小学校の耐震化のための寄付を募ったところ県内外から2700万円集まりました。

しかし市は受け取りを拒否しています。「地域への理解が進んでいるか」といった議員からの質問に対し市側は「一定の理解は得られた」と答弁。

統合のメリットとして「学年1クラス」から「複数学級」となることなどをあげたほか元の敷地には土砂災害の危険があり耐震化しても長年使用できないとしています。

尾道市 宮本佳宏教育長

「子どもたちの命を守ることを最優先に考え、土堂小学校の敷地を学校施設として利用することは考えておりません。」

14日行われる市議会の委員会では、関連条例を改正する議案などの採決が行われる予定です。

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