大江健三郎さんお別れの会、東京 「反骨、異端の精神引き継ぐ」

大江健三郎さんの遺影に向かい手を合わせる参列者=13日午後、東京都内のホテル

 3月に88歳で死去したノーベル文学賞作家大江健三郎さんの「お別れの会」が13日、東京都内で開かれ、親交のあった作家らが「反骨、異端の精神を引き継ぐ」などと追悼の言葉を述べ、その作風や功績をたたえた。

 出版関係者ら約290人が出席。作家の島田雅彦さんは「敗戦から占領を経て『自発的な服従』をたどった日本の国民が、屈折し絶望しながらも『復讐』していった過程を示唆し、米国のような国に対して知的なゲリラ戦を展開した」と話し、献杯した。

 作家の町田康さんは、大江さんの作品を読み返していると明かし、「社会の深いところにある重りのようなものではないか。自身も気を引き締めたい」と語った。

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