「女性政治家として海外にも発言し信頼を得る努力を」上川陽子氏が外相に “1番のサプライズ選出”のワケ

9月13日の内閣改造で衆院静岡1区選出の上川陽子議員(70)が外務大臣として入閣しました。20年ぶりに誕生した女性の外務大臣。上川さんが選ばれた理由とは?

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<上川陽子衆議院議員>
「上川でございます。お世話になります」

上川さんは13日午後、東京の議員会館で総理官邸からの連絡を受けました。

<上川陽子衆議院議員>
「伺います。よろしくお願いいたします。では、いまから官邸に行ってまいります」

外務大臣に任命され、総理官邸へと向かいました。

上川さんは、2000年の衆議院選挙で初当選し、現在7期目。2007年、第1次安倍改造内閣で内閣府特命担当大臣に任命され、当選3回で初入閣しました。

2014年には法務大臣に任命され、再犯防止策の取り組みを学ぶため、静岡刑務所を視察しました。

<上川陽子法務大臣(当時)>
「鏡を磨いて、磨いて、磨いて、磨いて、慎重にも慎重な検討を重ねた上で、死刑執行命令を発したものでございます」

2度目の法務大臣を務めていた2018年7月、地下鉄サリン事件などオウム真理教の一連の犯行に関わったとして、教祖だった麻原彰晃こと松本智津夫死刑囚ら13人の死刑執行を命じました。法務大臣を3度務め、着実にキャリアを積んでいきました。

<松野博一官房長官>
「外務大臣、上川陽子」

今回務める外務大臣は、女性としては歴代3人目で20年ぶりです。

<上川陽子衆議院議員>
「国のため、世界に向けてしっかりと発信し、日本の存在を高めていくことができるように少しでも前進する」

今回の内閣改造で岸田総理は、上川さんをはじめ、女性の積極的な起用に踏み切りました。岸田総理は、高市早苗経済安全保障担当大臣の留任を決めたほか、こども政策担当大臣に加藤鮎子衆議院議員、復興大臣に土屋品子衆議院議員、地方創生担当大臣に自見英子参議院議員を初入閣させ、女性閣僚は現在の2人から5人に大幅に増えることになりました。

TBS・後藤俊広政治部長は5人の中でも「上川さんを外務大臣に任命したことが1番のサプライズだった」と話します。

<TBSテレビ 後藤俊広政治部長>
「失敗の類がない非常に手堅いタイプの政治家、ベテランの女性議員であるということで、今回の目玉候補になるだろうなという予想はあったんですが、そのポストが外務大臣ということは想定しづらかったのは確かです。岸田さんが外交を進める上での地ならしをどんどん進めてもらうという積極的な役割を期待しているんじゃないかと思います」

岸田総理は、政権の骨格は維持しつつ、女性の活躍を世界にアピールしたい考えです。地元選出の議員が外務大臣になったことについて、静岡市の難波市長は…。

<静岡市 難波喬司市長>
「上川先生のような難題から逃げない姿勢と温かい心、温かいまなざしを持った政治家が外務大臣として活躍されることは本当に素晴らしいことだと思います。大いに期待しています」

<上川陽子衆議院議員>
「外交の舞台では、日本の国益とともに、世界の平和に日本がどこまで貢献できるか。女性の政治家という形で海外にも発言をし、信頼を得ていくための努力をしていきたい」

ロシアによるウクライナ侵略など課題が山積する外交問題…上川外務大臣の手腕が問われます。

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