“暑い”教室なのに…「閉めた世界でウイルスが住みやすい状況」インフルエンザ感染急拡大 10日程度で18学級が閉鎖の自治体も

例年の流行期ではない、いまの時期にインフルエンザの感染が急拡大していて、静岡県内では、13の小中学校や高校で学級閉鎖などが相次いでいます。

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<浜松市教育委員会 今井真衣さん>
「2学期が始まった9月の第2週、9月4日以降から徐々に発症している傾向がみられまして」

静岡県によりますと、インフルエンザの流行期は、例年12月から3月頃とされていますが、9月3日までの1週間に1医療機関あたりで確認された感染者数は2.19人で、前の週の1.44人から増加しています。

県のまとめによりますと、9月12日時点で、小学校9校、中学校3校、高校1校のあわせて13校で学年閉鎖や学級閉鎖が相次いでいます。

11日は、あわせて26校で学級閉鎖などとなり、記録が残る2012年以降、9月では過去最多。減ったようにみえますが、月曜日は週末の数字が一気に反映される傾向にあり、一概に感染者が減ったとはいえません。

浜松市の公立校でも、インフルエンザの猛威は明らかに広がっています。浜松市教育委員会によりますと1学期の学級閉鎖の数は26でしたが、2学期は始まってからわずか10日程度しか経っていないにもかかわらず、すでに18の学級閉鎖が確認されているということです。

夏休み明けから急増しているインフルエンザによる学級閉鎖。静岡市の小児科医は連日の暑さが関係していると推察します。

<キッズクリニック さの 佐野正院長>
「暑いことによって、閉めた世界(教室)の中でエアコンを使っているものですから。インフルエンザが住みやすい状態を作って、かつ、閉鎖空間になる」

夏休みは明けましたが、連日の暑さに教室ではエアコンを使用。冷気が逃げないように窓を閉めるため、換気が悪くなり、感染が拡大しやすい環境になっているのではないかと懸念します。

例年、インフルエンザの流行期は冬。2023年はさらに拡大するのでしょうか。

<キッズクリニック さの 佐野正院長>
「インフルエンザの予測は専門家でも非常に難しい。集団免疫をつけて頂くという意味では、積極的にワクチンを受けて頂いた方がいいかなと」

9月に入って急増するインフルエンザ。有効な対策としては、やはりワクチン接種が挙げられるということで、例年よりも早めの接種を呼びかけています。

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