「いま僕はココにいます」Vol.174 イングランド編

DPワールドツアーのメイントーナメントがはじまります

人は彼のことを“旅人ゴルファー”と呼ぶ。川村昌弘・30歳。2012年のプロデビューから活躍の場を海の向こうに求め、キャリアで足を運んだ国と地域の数は実に70に到達した。キャディバッグとバックパックで世界を飛び回る渡り鳥の経路を追っていこう。

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プロゴルファーの川村昌弘です。
いま僕はロンドンにいます。

海を渡って英国へ。欧州ツアーのメインの大会が始まります

今週はDPワールドツアー(欧州男子ツアー)のフラッグシップイベント、ツアーの威信をかけた「BMW PGA選手権」です。会場は例によって首都近郊のウェントワースGC。ロリー・マキロイ(北アイルランド)をはじめ、欧州のスター選手もそろいました。

久常涼選手も一緒にウェントワースへ

開幕2日前の火曜日(12日)、一緒に出場する久常涼選手と夕食をともにしました。アイルランドで過ごした前週9日が彼の21歳の誕生日。ダブリンでは宿が少し離れていたため、少し遅めの、ささやかなバースデーパーティをしました。

21歳になった久常選手。たくましすぎる!

イタリアンレストランで撮影した彼の笑顔、素晴らしすぎるでしょう? 日本を飛び出し、今季が欧州でのルーキーイヤー。すでにトップ10に6回入り、来シーズンのシードも確実にした本当にたくましい後輩です。

年齢は離れていますが、僕とはキャリアの共通点が意外とあるんです。14歳のときにフランス・エビアンで行われたジュニア大会で好成績を残し、21歳になる年にお隣スイスでの「オメガ ヨーロピアンオープン」に初出場。日本ツアーの安定した出場権が保障されないまま、欧州の予選会を通過して海を渡ってきました。

場内の選手ホスピタリティも充実

成績もさることながら、初めての海外転戦も頼もしい限りで驚きます。いろんな国に行ってみたい、旅をしながらツアーを楽しみたいという気持ちも随所に見えて、「ゴルフもライフスタイルもそんなに僕に似せなくても…」と思ってしまうくらい。若い頃の自分に似ているようで、当時の僕よりもゴルフが1ランクうまいのも間違いありません。

会場の駐車場には各選手のネームプレートが

“ツネ”には頭の良さにもビックリさせられます。僕が彼の年齢くらいの時はフライトやホテルの予約もマネジャー任せでしたが、久常選手はぜんぶ自分で手配しちゃう。リーズナブルな航空券の組み合わせを探すのも楽しそう。21歳当時の川村くんには、目の前の試合でいっぱいいっぱいで、そんな余裕はなかった! 息抜きの考え方も立派で「今週は軽い調整の気持ちで。勉強できればそれが一番ですね」なんて言うんですから見上げたものです。

ウェントワースはイングランドの林間コース

そんな久常選手と、前週7位に入って今大会のフィールドに滑り込んだ星野陸也選手も一緒に出場します。たくさんの日本勢がこの旗艦大会に出場できることがうれしい。直近の3年は僕もいずれもトップ20に入っていて、林間コースのウェントワースは日本人に向いていると感じています。年間を通じて好成績を出してきたツネ、勢いのあるリッキーに負けじと頑張ります。

来週は欧米の対抗戦「ライダーカップ」のため、おやすみです

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