機能性抜群な馬の服、4種をご紹介

みなさんは「馬も服を着る」ってご存知でしたか?馬用の服は、馬着(ばちゃく)またはラグといいます。季節や目的に合わせてさまざまな商品がありますが、今回の記事では代表的な4種類の馬着について紹介します。

冬馬着

動物の服と言えば、オシャレだけでなく防寒のために着せることが多いですね。最初に紹介する冬場着は、名前の通り寒い季節でも馬に温かく過ごしてもらうための馬着です。

真冬の体調管理に

馬はもともと野生動物とはいえ、やはり身体が冷えると体調を崩してしまうことがあります。特に放牧中や馬房で過ごす時間など、運動量の少ないときは体温も下がりがち。

そんなとき、馬の体温保持を助けるのが冬馬着です。冬馬着は厚手の生地で作られ、中綿も入っているので、寒い風を遮ると同時に馬の体温をしっかり中綿に溜め込んでくれます。

重ね着もOK

今回は馬着を目的ごとに分けて紹介しますが、もっと簡単に厚さで呼び分けることもあります。例えば、冬馬着は“厚馬着”と呼ぶこともあるのに対して、春や秋に使える薄手の馬着を“薄馬着(サマーラグ)”と呼んだりします。

薄馬着はコットンやフリース生地の商品が多いので、厚馬着のインナーとして重ね着するにも最適!

「冬馬着1枚では寒いかな?」という気温の日や、濡れたタオルで拭いた後など多少の湿気が気になるときは重ね着も検討してみましょう。

※馬の毛がたくさん水分を含んでいる状態であれば、乾いたタオルでよく拭いて薄馬着で一旦保温&吸湿した後に厚馬着に着せ替えるのがおすすめ。あまりに湿ったまま重ね着をすると皮膚にも良くないですし、身体が乾きにくくなり逆に冷えてしまうので要注意です。

化粧馬着

JODHPURS|VESTRUM ハイデルベルク コットン ラグ https://jodhpurs.jp/c/forhorse/forhorse_horserug/v-ha-902220

化粧馬着(ショーラグ)は、冬馬着よりも薄手の馬着です。薄馬着の一種とも言えますが、春や秋の肌寒い時間の放牧中・休息中に使用する薄馬着と区別して、競技会などで使用するものを指すこともあります。

競技会の待機時間に

競技会ではウォーミングアップを終えた後で順番待ちをしたり、一度目の走行を終えた後で馬装を解かないまま次の走行まで待機…なんて経験はありませんか?

そんなときに、せっかく温まった馬たちの筋肉を冷やさないように化粧馬着を着せることがあります。手早く掛けられて邪魔にならないように、お腹部分のクロスストラップはついていない商品もあります。

オシャレに保温

競技会で使うこのともあるため、化粧馬着はデザインに趣向が凝らされているものが多いです。

例えば、馬の胸あたりで馬着を留めているフロントバックルは、飾り紐のようになっていたりレザーベルトで金具が隠せるものもあります。また、馬着のフチにスパンコールが付いているこだわり商品も!

試合中のパフォーマンスだけでなく待機中の馬着ファッションにも注目すると、競技会がもっと楽しめそうですね。

虫除け馬着

JODHPURS|LeMieux アリカ エアテック メッシュ シート https://jodhpurs.jp/c/forhorse/forhorse_horserug/lm-ha-3319

馬着が活躍するのは、寒い季節だけではありません。夏になると、厩舎や放牧場には虫が増えてきますね。そんな暑い時期の虫対策のために作られた馬着が“虫除け馬着(フライラグ)”です。

メッシュで涼しく虫対策

ブンブンと飛び回る虫を気にする馬は多いですし、中には蚊やアブのように刺す虫もいます。「なんとかしてあげたい!」と思ったら、虫除け馬着を試してみてはいかがでしょうか?

虫除け馬着は細かいメッシュ生地でできていて、通気性は抜群!暑さを気にせず着せることができますね。

敏感な耳や顔周りの虫を避ける“フライマスク”もお揃いで販売しているメーカーもあるので、ぜひチェックしてみてくださいね。

直射日光対策にもgood

虫除け馬着を着ることで、馬はベールをかぶっているような状態になります。もともと馬の身体は毛におおわれているので紫外線の影響は受けにくいですが、直射日光を避けることで熱中症対策ができますね。

虫除け馬着にもいろいろなデザインがありますが、熱中症対策も兼ねるなら淡い色や白系の生地がオススメです。

運動用馬着

JODHPURS|BUSSE エクササイズ フライシートhttps://jodhpurs.jp/c/forhorse/forhorse_horserug/bu-ha-603292

ここまで紹介した馬着は、主に馬が休んでいるタイミングで着るものでした。最後に、運動中に使える“運動用馬着(エクササイズラグ)”について見てみましょう。

馬の筋肉&身体を保温

「運動すれば身体が温まるから馬着は不要では?」と思う方も多いかもしれませんが、筋肉が冷えてこわばった状態で運動すると筋肉を傷めるリスクが高まるといわれています。

そこで、運動用馬着の出番です!運動前から馬の身体を保温し、大きな筋肉をリラックスした状態にしておくことで、馬の筋肉トラブルを防ぐ効果が期待できます。

もちろん、筋肉の負担を減らすだけでなく、防寒対策にも有効です。冬は汗が冷えやすいので、レッスンを終えてから手入れを始めるあいだの保温もできるのが嬉しいですね。

運動に響かないデザイン

馬着は身体全体をすっぽり包むような形状が多いですが、運動用馬着は扶助を妨げないように馬の脇腹周辺あまり覆わないデザインもあります。

騎乗中に使用する運動用馬着は、馬の腰にラグをかけて鞍のあおり革の下を通し、前橋の前で留めるなど鞍を付けたまま着用できるデザインなので便利ですよ。

ちなみに調馬策などを使って運動させるときの運動用馬着は、騎乗中に使う“エクササイズシート”と区別して“ウォーキングラグ”と呼ぶこともあるそうです。また、防寒用でなく上の画像のような「虫除け用の運動馬着」もあります。

まとめ

馬を寒さなどの環境から守るための「馬着」。季節や目的に合わせて、厚みや素材・デザインにはたくさんの種類があります。みなさんもぜひ、馬着を活用して馬たちに快適に過ごしてもらいましょう!

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