子どもたちの無病息災を祈る小山市・思川の「流しびな」 川から回収した人形の初めての清祓い

 小山市では、人形を川に流して子どもたちの無病息災を祈る伝統行事「流しびな」が7月に行われています。市内の神社では川から回収した人形の清祓いが初めて行われました。

 清祓いが行われたのは、小山市にある須賀神社です。小山市を流れる思川では、子どもの厄や災いを小舟に乗せた人形に託して川に流し、健やかな成長を願う「流しびな」が毎年7月に行われ、夏の風物詩として親しまれています。

 8日は「思川の流しびな保存会」の会員10人が集まり、川に流した約300個の人形を清祓いしました。会員らは玉串奉奠などを行い、人形を流した人の穢れを祓い、願いが叶うようにと祈りを込めました。今回初めてお祓いされるこれらの人形は、県の伝統工芸品「下野しぼり」の技法で作られた和紙を使った紙人形で、「下野人形」と呼ばれ古くから幸せを呼ぶと言われています。

 「流しびな」がはじまった1960年ごろには、下野人形が川を伝って海まで流れ出たら願いが叶うと信じられていましたが、近年は環境問題に配慮して、保存会のメンバーが、使われた人形を川の下流で回収し、知り合いの寺で供養してもらっていました。

 しかし、下野人形を作る伝統工芸士の諏訪ちひろさんは、流しびなは神道の行事のため、いずれは神道にならって清祓いしたいと考えていたといいます。

 清祓いされた「流しびな」はこのあとお焚き上げされるということです。また、清祓いは「流しびな」が終わった後の恒例行事として来年以降も続けていきたいということです。

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