「応募ゼロ」の南城市給付型奨学金 募集時期検討へ 市議会で質疑、受験前予約制の提案も

 【南城】沖縄県南城市は7日、市議会9月定例会の一般質問で、市が本年度新設した給付型奨学金制度について、今後募集時期や応募資格、併用可否について検討すると答弁した。同奨学金制度は、4月の当初募集期間に応募がなく、9月22日まで再募集している。銘苅哲次議員の質問に、具志堅兼栄教育長は「南城市の子どもたちが給付型奨学金を受け取れるような体制にしていきたい」と回答した。

 市は、大学などでの修学を支援する給付型奨学金に応募がなかった理由について、応募資格に該当する住民税所得割非課税世帯が想定より少なかったこと、日本学生支援機構(JASSO)が2020年に始めた給付型奨学金や授業料などの減免制度を学生が選択し、利用していることを上げた。

 銘苅議員は「学業が始まった4月の募集開始では遅い」と指摘し、受験前に予約者として奨学生を決定する予約制を提案した。さらに、応募資格に多子世帯を加えることも提案した。

 宮城光也教育部長は募集時期について「他市の状況なども勉強する」とし、応募資格は「所得の基準を議論しながら設定する必要がある」と述べ、検討の意向を示した。具志堅教育長は市給付型奨学金が他団体の給付型奨学金と併用できないことにも触れ、「金額を減額して併用可にするか検討する」と答弁した。

(上江洲仁美)

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