モロッコ地震:孤立した村の人びとはいま──現地調査チームからの報告

マラケシュ・サフィ地方のシシャウア県の村=9月12日 Ⓒ MSF

9月8日深夜にマグニチュード6.8の地震が発生して以来、大きな被害が報告されているモロッコ。今週に入り、国境なき医師団(MSF)はマラケシュ・サフィ地方のシシャウア県を訪れ、孤立した村に住む人びとのニーズ調査を行った。MSF緊急対応コーディネーターのカルロス・ルビオが状況を報告する。

家は損壊、死傷者も多数

私たちが訪れた小さな村の家々のほとんどは、泥のようなもろく壊れやすい素材で建てられていたため損壊していました。かなりの数の死傷者がおり、道路にも被害が出ています。しかし、モロッコ当局と地元の人びとが大規模に動員されたため、この数日間で、当面の緊急医療・人道的ニーズは満たされました。

地震で倒壊した家=9月12日 Ⓒ MSF

心理的支援のニーズ調査も

医療処置が必要な患者は、すでにシシャウアとマラケシュの基幹病院に移送されました。さらに、被災した村の住民の多くは、食料や水、毛布、テント、その他の必需品などの初期援助をすでに受けていました。

被災した村の人びと=9月12日 Ⓒ MSF

いくつかの地域では、被災した人びとに対する心理面での支援活動が進行中です。しかし、40万人が暮らすこの地域では、精神科医が1人しかおらず、心理士はいません。継続的な対応の一つとして心理的支援の強化が必要とされるため、MSFはこうしたニーズに関しても調査を行う予定です。

シシャウア、地元住民の声

地震が起きたとき、私は大学の隣のロータリーにいました。村の建物の半分が全壊し、残りは大きな被害を受けました。その夜、私たちは外で寝ました。それでも、私たちは支援を受けることができ、助かりました。

私たちを支援してくれたすべての人びとに感謝します。羊や牛の群れを失った人も多く、10頭を失った人もいれば、35頭や40頭を失った人もいます。彼らに神のお恵みがあることを祈っています。

村の一角にたたずむ、アブースラムさん=9月12日 Ⓒ MSF

© 特定非営利活動法人国境なき医師団日本