漫画村事件、異例の再審請求へ 元運営者、控訴せず判決確定後

星野路実氏(本人提供)

 人気漫画をインターネットに無断公開した海賊版サイト「漫画村」(閉鎖)の著作権法違反事件で、2021年に同法違反と組織犯罪処罰法違反(犯罪収益隠匿)で実刑が確定し、服役した元運営者星野路実氏(31)が福岡地裁に再審請求することが14日、代理人弁護士への取材で分かった。月内に申し立てる。

 星野氏の代理人の木村道也弁護士によると、控訴をせず、判決確定後に再審請求することは異例だ。星野氏は「勾留中にパソコンの利用を禁じられ、無罪を証明する証拠集めができなかった」と主張している。

 地裁判決によると、星野氏は17年5月、集英社の人気漫画「ONE PIECE(ワンピース)」と「キングダム」の画像データをサーバーに保存し、無断でネットに公開した。16年12月~17年11月には、漫画村運営で得た広告収入約6200万円を海外口座などに入金させ、犯罪収益を隠した。

 漫画村は国内最大規模の海賊版サイトとして社会問題化。3千億円以上の被害試算が示され、18年4月に閉鎖された。

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