札幌の“丘珠空港” 滑走路延長でどう変わる!?

今回のテーマは、丘珠空港。札幌・東区にあり、都市部からも近い。滑走路の延伸も決まり、さらなる活用が期待されている。

【延伸の概要は? どう変わる?】

丘珠空港は、中心部から約6キロ。1961年に供用開始した国が管理する空港だ。現在、北海道エアシステムとフジドリームエアラインズが北海道内外への便を運行している。

丘珠空港の滑走路について、市は7月末、1800メートルに延伸し、2030年の使用開始を目指すと正式に表明。発着便は1日当たり今の倍の70便程度、年間の旅客数は3倍の約100万人になると見込んでいる。

2005年度に40万人近くいた丘珠空港の利用者数。2010年7月の全日空撤退で大きく減少したが、その後は回復。コロナによる一時的な落ち込みはあったものの、昨年度は32万人となった。30万人の大台を超えるのは13年ぶり。こうしたことを追い風に空港を応援したいという気運が高まっているという。

【新規路線も 航空会社の期待は】

愛知県の小牧空港に拠点を置くフジドリームエアラインズ。2016年に丘珠-静岡便を就航、その後松本、小牧を結ぶ路線をそれぞれ開設した。相次ぐ丘珠発着路線の拡充、その理由について聞いてみた。

楠瀬社長は「札幌市の中心部から一番近いところ。便利なロケーションに空港がある。間違いなく利便性は高まる」と話す。

また、「コンパクトなサイズなので、空港についてから飛行機に乗るまでの時間が短く済む」と空港の使いやすさも大きな決め手となったとする。滑走路延長により、丘珠と各地を結ぶFDAの便は通年運航が可能になる。

また、丘珠に拠点を置く北海道エアシステムも、滑走路の延長に期待を寄せている。

多くの便が就航することによって、HAC路線の利用者も増える相乗効果が見込めると考えている。HACは航空機を1機増やし4機体制とし、10月末から中標津線を就航。路線を活用した過疎地医療の支援も打ち出した。今後は、ほかの航空会社との連携にも力を入れる方針だ。

【周辺の産業にも効果が?】

札幌の北都交通。JR札幌駅から地下鉄栄町駅を経由し、丘珠空港へと向かう連絡バスを運行している。

年々利用者が増えている丘珠空港。それにともなって連絡バスを使う人も増えているという。滑走路延長後に便数が増えると、それに応じてバスの増便も必要になってくる。市から増便の要請があった場合は、可能な限り応じていく構えだ。

実はこの連絡バス、札幌駅から栄町駅までの間は冬場は運行されていない。これを何とか通年運行できないかという議論が進んでいるという。

滑走路の延伸で生まれ変わる丘珠空港。今後の発展に期待がかかる。
(2023年9月16日放送 テレビ北海道「けいナビ~応援!どさんこ経済~」より)

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