豊岡演劇祭開幕、平田オリザさんの新作悲喜劇も上演 温泉街や漁港舞台に100超のプログラム

「豊岡演劇祭2023」の開会式で、意気込みを語るフェスティバルディレクター平田オリザ氏=豊岡市日高町日置

 豊岡市を中心に、国内外の劇団やアーティストが舞台芸術を繰り広げる「豊岡演劇祭2023」が14日、開幕した。24日までの11日間、約90団体が103プログラムを上演。同市在住の劇作家で、フェスティバルディレクターを務める平田オリザ氏は開会式で「質、量ともに充実し、多様で幅の広い出演者が有名無名を問わず渦巻く。1本でも多く見ていただきたい」と意気込んだ。

 同演劇祭は2020年に始まり、新型コロナウイルス禍による21年の中止を挟んで3回目。招待演目などの公式プログラムと公募形式の「フリンジプログラム」があり、豊岡市と養父市、香美町の大学や温泉街、漁港、スキー場など全68会場が舞台となる。海外勢も参加し、今年は平田氏が書き下ろした新作の悲喜劇「私はかもめ」を、日仏で演劇を学ぶ学生が共同で上演する。

 初日の14日、豊岡市日高町の江原河畔劇場前で開会式典があった。多くの公式プログラムで高校生以下を無料にしており、平田氏は「演劇を通じて、子どもたちに生きるための真実の言葉を伝えていきたい」と述べた。

 公式プログラムの一部ですでに完売した演目もある。演劇祭フェスティバルセンターTEL0796.34.9525(阿部江利)

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