“市有地で駐車場貸出”議員を沼津市提訴か 「土地はわたしのもの 証拠書類が見つかった」市議は猛反論

静岡県沼津市は、市議会議員が自宅の敷地に隣接している市の土地をかつて有料駐車場として貸し出して利益を得ていたとし、市への返還を求める訴訟を起こす議案を市議会に提出しました。一方、当事者の市議は土地は「私のもの」と述べ、その証拠書類が9月、見つかったとしています。

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沼津市が提訴を検討しているのは、山下富美子沼津市議(70)です。市によりますと、山下市議は自宅敷地に隣接する市が所有する土地を2022年9月まで、月極駐車場として有料で複数の人に貸し出していました。

沼津市は、山下市議に駐車場の貸し出しで得た約10年間の利益の返還について、話し合いの機会を求めたものの、明確な回答は得られず、2023年7月末に代理人弁護士から返還には応じられないという回答があったため、約200万円の支払いを求め、提訴する案を提出しました。

<沼津市 杉山康総務部長>
「市有地を貸し駐車場として収益を得ていた相手方に対して、所有権に基づく不当利得の返還および利息の支払いを命ずる判決を求めるものであります」

山下市議は、議会終了後に会見を開き、説明しました。

<山下富美子沼津市議>
「市に提訴されようとしている土地はわたしのものです。さきほど示した証拠が見つかったわけですけれど、市はこの事実に基づいて提訴を取り下げてほしい」

山下市議は、9月5日に自宅の古いタンスから父親の代に橋を拡張する工事のため、所有地を市に譲渡した際に契約書や確約書など売買の経緯を示す書類が新たに見つかったと説明しました。

市が提訴しようとしている市有地については、見つかった書類の中に市が父親に払い下げるため、金額を出した計算書なども見つかったとし、土地の所有権は私にあり、事実でないとするなら、市に証拠を出してほしいと述べました。

議案は市議会で審議された後、10月16日に採決が予定されていて、可決されれば、市は山下市議を提訴することになります。

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