ゲノム変異は互いに、さらに環境とも影響し合って、心血管疾患リスクに作用している

レイキャビク(アイスランド), 2023年9月14日 /PRNewswire/ --アムジェンの子会社deCODE genetics(デコード・ジェネティクス)の研究者と、アイスランド医療制度およびコペンハーゲン大学の共同研究者らは14日、「Complex effects of sequence variants on lipid levels and coronary artery disease(配列変異の脂質レベルや冠動脈疾患に対する複雑な影響)」と題する研究論文をセル誌に発表しました。

Audunn S. Snaebjarnarson, Daniel F. Gudbjartsson and Kari Stefansson, scientists at deCODE genetics and authors on the paper.

同論文で述べられている研究は、量的形質の変異に関連するゲノム変異の探索と、そうした変異は他の変異や環境の構成要素と相互に影響し合っているに違いないとの仮定に基づいています。

「悪玉」コレステロール(非HDLコレステロールやLDLコレステロールとも呼ばれる)が心血管疾患の発症に直接寄与していることは、よく知られています。

環境とゲノムはいずれも悪玉コレステロール、ひいては心血管系の健康に影響を及ぼしています。その影響は、複雑に絡み合っている可能性があります。例えば、飲酒は悪玉コレステロールを増加させる傾向がありますが、本研究では、アルコールの代謝を遅らせることが知られている特定の配列変異保有者は、アルコール摂取が冠動脈疾患に及ぼす悪影響から守られていることが明らかになりました。肝臓脂肪に関連のある特定の配列変異保有者は、脂っこい魚を摂取すると、非保有者に比べ悪玉コレステロール増加の影響を受けやすいことも分かりました。

同様に、論文著者らは、ゲノム変異が互いに影響し合ってコレステロール値に影響を及ぼしていることも明らかにしました。本研究では、アルツハイマー病リスクの防護役であるAPOE2対立遺伝子のホモ接合体は、非保有者と同様に悪玉コレステロール(非HDLコレステロール)値が高くなりやすいものの、コレステロール(ApoB)を運ぶ粒子の数ははるかに少ないことが示されました。こうしたホモ接合体の冠動脈疾患発症リスクは非保有者と同程度で、疾患リスクをもたらすのは悪玉コレステロールの量であって、悪玉コレステロールを運ぶ粒子の数ではないことを示しています。さらに論文著者らは、血液型が分泌型か非分泌型かは、A1型血液型でない人のコレステロール値と心血管疾患リスクに影響を与えるが、A1型血液型の人には影響を与えないことも明らかにしました。

こうした例は、ゲノムと環境が相互に作用して健康に影響を及ぼしている複雑で魅力的な様子を浮き彫りにするとともに、ヒト疾患の遺伝的特徴の総合的理解には幅広いモデルが必要であることを実証しています。

アイスランドのレイキャビクを拠点とするdeCODEは、ヒトゲノムの解析と理解のグローバルリーダーです。deCODEは、独自の専門知識と人的資源を活用し、数十の一般的疾患の遺伝的危険因子を発見してきました。疾患の遺伝的特徴を理解する目的は、その情報を使って新たな疾患の診断、治療、予防法を生み出すことです。deCODEはアムジェン(NASDAQ:AMGN)の完全子会社です。

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