SBG傘下アーム上場、株価上昇 英半導体設計、時価9兆6千億円

英半導体設計大手アームのロゴ(AP=共同)

 【ニューヨーク共同】ソフトバンクグループ(SBG)傘下の英半導体設計大手アームは14日、米ナスダック市場に上場した。初日の終値は63.59ドル(約9400円)と公開価格の51ドルを約25%上回った。米メディアによると、終値ベースでの時価総額は650億ドル(約9兆6千億円)超に膨らみ、アームが持つ半導体に必要な設計技術への高い期待を反映した。今年の新規株式公開としては最大。初値は56.10ドルだった。

 SBGはファンド事業の不振により23年3月期まで2年連続の巨額赤字を計上しており、アーム上場で財務体質の改善につなげたい考えだ。売り出すアーム株は約1割にとどめており、上場後もグループ戦略の中核の一つに据える。

 アームの技術は世界のほぼ全てのスマホ向け半導体に取り入られており、近年は車載向けなどでも採用が増えている。AI開発で半導体需要が増加していることも追い風で、SBGの後藤芳光最高財務責任者は14日「AIによって劇的に変化していく中で、アームの役割はより重要なものになっていく」と述べた。

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