【がんばれ!郷土力士】 大の里5連勝、十両単独首位

  ●遠藤、輝も白星

 大相撲秋場所(両国国技館)5日目の14日、東十両14枚目の大の里(二所ノ関部屋)は同11枚目の紫雷を電車道で寄り切り、無傷の5連勝で序盤戦を終えた。前日まで4勝0敗で並んでいた美ノ海が敗れ、十両で単独首位となり「残り10日間、気を引き締めて頑張る」と気合を入れ直した。西前頭10枚目の遠藤(追手風部屋)は東前頭10枚目の金峰山を寄り切って2連勝。東前頭16枚目の輝(高田川部屋)は西前頭15枚目の千代翔馬を押し出し、白星を先行させた。

 今場所初めて兄弟子の高橋から水を付けてもらい、いい流れで土俵に上がった大の里。鋭く踏み込んで浅いもろ差しとなり、出足を利かせて一気に紫雷を寄り切った。「体が動いてくれたので良かった。下がらず自分の相撲を取れている」と満足げだった。

 石川からの応援が力になっているとし「(津幡町で)報告会もして、地元ファンも増えたと思う。今場所がすごく大事になる」と語った。

 遠藤は全勝だった金峰山の突き、押しをこらえて押し返し、左を差すと引きに乗じて寄り切った。3連敗からの2連勝にも「まだ黒星が先行している。一日一番しっかり準備していく」と気を緩めなかった。

 輝は今場所一番の内容で3勝目を挙げた。正面から突き、押しを浴びせ、足の運びも滑らか。「星が上がったのもうれしいが、相撲が良くなっているのがいい」と声を弾ませた。

  ●朝乃山3連敗

 西前頭2枚目の朝乃山(富山市出身、高砂部屋)は攻防のある激戦の末、東大関霧島の外掛けに屈した。3連敗で黒星が先行し「まだまだある。明日に向けて準備して取り組むしかない」と話した。6日目は豊昇龍と組まれ、大関3連戦の最後の一番に臨む。

 幕下では西11枚目の欧勝海(津幡町出身、鳴戸部屋)が東13枚目の朝玉勢を寄り切り2連勝。「攻める相撲が取れた」と話した。

  ●大の里のアレ「まだまだっす」 一家そろって「虎党」

 一家そろって「虎党」という大の里は取組後の取材で、同日夜のプロ野球・阪神タイガースの一戦について「たぶん勝って優勝してくれる。待ち望んでいる」と満面の笑みを浮かべた。

 学生時代には東京ドームに試合を見に行くこともあり、二所ノ関部屋に入門後も仲間と一緒に試合を見て応援しているという大の里。阪神の前回優勝時はまだ小学校入学前で覚えていないとし「今回は記憶に焼き付けたい」と語った。

 取材中に記者から「『アレ(優勝)』が話題ですが、ご自身の『アレ』は?」と問われると「まだまだっす。意識はしてない」とにやり。阪神にあやかり、新十両優勝となるか。

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