「割高運賃不当」認めず 経営判断の範囲と東京地裁

常磐線の車両(JR東日本提供)

 JR常磐線の亀有駅と金町駅の利用者ら16人が、相互直通運転する東京メトロの駅で乗り換え、JR上野駅などに向かうと、JRで乗り継いだ場合よりも割高になるのは不当だとして、両社と国に計2万6980円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は15日、請求を棄却した。

 桃崎剛裁判長は、鉄道事業者数が異なる以上、運賃に差が出るのはごく一般的だと説明。「両社の運賃設定が著しく不合理とは言えず、通常の経営判断の範囲内だ」と指摘した。

 原告側は東京メトロ千代田線西日暮里駅で降り、JRに乗り換えて上野駅に向かうと、常磐線を利用したJR北千住駅での乗り継ぎと比べると運賃が高くなる、などと訴えていた。

 北千住駅での乗り継ぎは、階段を使った長時間の移動が伴うなどとも主張したが、桃崎裁判長は、不便だとしても乗り継ぎが事実上困難とまでは認められないとし「(どの路線を使うかは)運賃や利便性などから、旅客がそれぞれ選択すべき問題だ」と判断した。

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