NASAがUFO責任者設置へ 研究会「高品質のデータ必要」

米南部フロリダ州にある米航空宇宙局(NASA)の関連施設=2020年5月(ロイター=共同)

 【ワシントン共同】未確認飛行物体(UFO)や自然現象を含む「未確認空中現象(UAP)」に関するNASAの有識者研究会が14日、最終報告書を発表した。現在ある情報は品質が低く科学的な結論を導けないとして「適切なデータ収集が必要だ」と指摘。専門性を生かした貢献を求められたNASAは研究責任者を置く方針を明らかにした。

 報告書は、過去の報告事例の評価はしなかったが「現在までに専門家の査読を受けた論文には、UAPが地球外生命体によるものだとの証拠はない。目撃証言は興味深いが再現性はなく、結論を導くだけの情報に欠ける」と明記。「並外れた主張には、並外れた根拠が必要だ」と強調した。

 記者会見したNASAのネルソン局長は、昨年6月の研究会設置に関し「議論をセンセーショナリズムから科学に移行させることが目的の一つだった」と説明。メンバーの中には中傷メールが来たり、SNSで嘲笑や非難されたりした人もいた。

 報告書は今後の方向性として、人工衛星を活用した事例収集や目撃時の環境条件の特定が可能だとした。

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