竹田市宮山大歳神社の三宅獅子、43年ぶりに「還宮舞」奉納へ 氏子ら本番に向け稽古に熱【大分県】

還宮舞の動きを確認しながら稽古に励む住民ら=竹田市三宅の宮山大歳神社
還宮舞の奉納に向け、練習に取り組んでいる氏子や地元住民ら

 【竹田】竹田市三宅の宮山大歳(みややまおおとし)神社に伝わる伝統芸能「三宅獅子」(市指定無形民俗文化財)は獅子頭や衣装を新調し、17日にある同神社の秋祭りに合わせ、その披露とお清めを兼ねた「還宮舞(かんぐうまい)」を奉納する。還宮舞は建物の改修や道具の新調時に舞われ、同神社では43年ぶり。本番に向け、三宅獅子を継承する4~80歳の氏子らが熱心に稽古に励んでいる。

 三宅獅子は1854年に豊後大野市朝地町から伝わったとされる。例年、秋祭りに同神社の氏子らが中心になって納めており、今回は新型コロナウイルス禍で4年ぶりの奉納となる。

 獅子頭や衣装などは昨年度、計436万円かけて新調。市コミュニティ助成事業と文化庁からの補助金、地元負担金で費用を捻出した。同神社では神殿なども修理(総工費約850万円)した。

 還宮舞は、1980年に披露された際の映像を基に動きを確認。8月中旬から週3回ほどのペースで同神社に集い、毎回1時間半~2時間、練習を重ねている。

 今月8日は午後7時半ごろ、約40人が集まった。通常の獅子舞と異なる隊形などをチェックしながら舞い、太鼓やかね、笛を響かせた。

 世話人代表の渡辺富博さん(74)は「コロナ禍の期間、祭りが地域住民をつなぎ、新たなものを生み出す場ということを再認識した。多くの人に見に来てほしい」と話した。

 還宮舞は午前9時半からの神事後、奉納する。雨天時は旧岡本小体育館で。

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