【高知県四万十市】「日本最後の清流 四万十川」川とともに人が生き、文化的な景観を有する川

四万十川って?

高知県津野町不入山(標高1,336m)を源流とする四万十川。全長は196㎞で、主な支流は35本、支流総数319本となっており、梼原町、中土佐町、四万十町、四万十市といった高知県西南地域を大きく蛇行しながら落差のない流れとなって四万十市下田で太平洋に注ぎます。

「日本最後の清流」の由来

住民が川と寄り添う暮らしが残る四万十川は、昭和58年(1983)のテレビ放送において、「日本最後の清流」というシンボリックな表現で称されたことにより、源流から海にいたる澄んだ水と生き物のいる豊かで美しい川というブランドを生み出しました。

ヤマトテナガエビとオイカワなどの小魚たち

四万十川で獲る。

豊かな生命を育む四万十川は、広大な汽水域とともに200種類もの豊かな水生生物が生息し、今もなお、落ちアユ漁や火振り漁、テナガエビ漁、ゴリ漁、アオノリ漁など、今なお伝統的な漁法で生計を経てる漁師がいることから人と川との関わり、生業の文化が多く残されています。

投網を投げアユを獲る

松明に火を灯し鮎を追い立てる

四万十川で遊ぶ。

四万十川では、カヌーやサップ、サイクリング、沢歩き、イカダ下り、遊覧船、キャンプなど1年を通し様々な体験ができ、楽しむことができます。

雄大な四万十川でヨガを楽しむ

暴れ川な一面も。

四万十川は暴れ川としても有名で、増水や氾濫、台風等で1年を通じて水害が発生しやすい川です。そのような中、四万十川流域に暮らす人々が自然環境を活かして寄り添い、生きていくための知恵や工夫として増水時には沈下する欄干のない橋「沈下橋」があります。人の営みと沈下橋等が重なりこの地域らしい風景を作っています。

(左)平常時の四万十川と佐田沈下橋 (右)増水時の四万十川と佐田沈下橋

環境庁から「名水百選」「平成の名水百選」に選定。

昭和60年(1985)7月、水環境の保全状況が良質であり、住民による環境保全活動が積極的に行われていることから、「名水百選」に選定されました。

また、平成20年(2008)6月、環境保全活動と流域に暮らす人々の取組みが評価され、支流である黒尊川が、「平成の名水百選」に選定されました。

支流の中でもひと際美しい清流「黒尊川」。

平成の名水百選に選定された黒尊川。四万十川支流の中でも最も透明度が高く、特に美しい支川です。川以外にも黒尊神社、お菊の滝などの伝説や逸話が残されており、秋には紅葉が鮮やかに彩る場所です。

文部科学省から「重要文化的景観※」に選定。

平成21年(2009)2月、四万十川と関わりのある人々の生活など、四万十川流域の特有な景観が「重要文化的景観」に選定されました。四万十川流域の5市町(津野町、梼原町、中土佐町、四万十町、四万十市)で選定されるのは我が国初めてのことで、大きな注目を集めています。

※地域における人々の生活または生業及び当該地域の風土により形成された景観地でわが国民の生活または生業の理解のため欠くことのできないもの(文化財保護法第二条第1項第5号より)

孫の手をひき帰路にたつ祖母。

四季を通じて四万十川に人の姿がある。

美しい川と称されている「日本最後の清流」だけではなく、地域の日々の営みが育む豊かな風景と環境として四万十川があります。この関係性が四万十川の不思議な魅力となり人々を今もなお引き寄せ続けています。

高知県四万十市についてもっと知りたい方は、下記ご参考ください。

四万十市観光協会 公式サイト:http://www.shimanto-kankou.com/

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