ビッグモーター本社を捜索 街路樹問題で器物損壊疑い

家宅捜索のためビッグモーター本社に向かう警視庁と神奈川県警の捜査員ら=15日午前9時46分、東京都港区

 中古車販売大手ビッグモーターの店舗周辺で街路樹が不自然に枯れるなどした問題で、警視庁と神奈川県警は15日、器物損壊容疑で東京都港区の本社を家宅捜索した。捜査関係者への取材で分かった。各地の自治体などの土壌調査で除草剤の成分が相次いで検出されており、警視庁などは散布などについて本社の指示がなかったかどうか調べる。

 自動車保険金の不正請求など、一連のビッグモーターの問題を巡り、警察による本社の捜索が明らかになるのは初めて。

 街路樹問題では、神奈川県警が6日に県内3店舗、警視庁が8日に都内9店舗を捜索していた。多摩店(東京都多摩市)と川崎店(川崎市)では街路樹の伐採も確認されている。川崎市は店前の伐採は本社の指示だったと発表、同社幹部から説明を受けたとしていた。

 東京と神奈川以外の店舗でも被害の発覚が相次いでおり、各地の警察が自治体から被害届を受理して実況見分などして捜査を進めている。長野、福岡など7県の国道沿いにある9店舗前でも除草剤成分が検出され、国土交通省も被害届を出すとしていた。

ビッグモーター本社が入る六本木ヒルズ森タワー=15日午前、東京都港区

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